帰国生受験の体験記。(その3)完結編

前の記事の続きです。
通っていた四谷大塚についての感想が述べられています。

以下、体験記の本文です。



今思えば幾つもの課題をクリアしてたどり着いた合格だと思います。

一つは塾です。
「温情で入塾させる」と言われたときには正直、複雑な心境でしたが、四谷大塚はとても良い塾でした。SAPIXのレベルの高さをよく耳にしますが、指導が厳しく偏差値の高い生徒が多い塾がすべての子供に最適な塾ではありません。保護者説明会の時に四谷大塚の講師の先生が話される内容は共感するものばかりで、頑張っているが成績が伸び悩んでいる生徒に対しての思い入れが強い塾だと思いました。
教材の内容もしっかりしているので、長期的な学習計画は信頼できる塾の教材に則って進めるのが一番安心なのではないかと思います。

二つ目は家族の思いの強さです。「結局は本人のやる気次第」と言うのはよく聞くセリフですが、最近の受験は出題傾向の情報分析や、子供が学力をつけるための学習方法など、精神論よりも技術論が重要になってきているため、本人の努力だけで合格できるのは本当に一部の意識の高いお子さんだけだと思います。
子供にあった塾を選び、久保田先生を探し出し、プリントのコピーや書類のファイリングなど、実務的に行ったことは膨大でした(ほぼ全て妻がやりましたが。)。
また精神面でも、長女が学力的、体力的、精神的にどんな状況なのか、精神的なサポートは何ができるのかを、親はいつも考えていたと思います。これは仕事や他の家族を犠牲にして受験を優先するということではなく、今、長女にしてあげられることを可能な限りしてあげる、ときには人の助けを借りながら、という姿勢であったと思います。
長女が第一志望に合格し、良い刺激を受けながら充実した中学校生活を始める姿を想像することで、自然に親として自分たちがしてあげられることを考えていたように思います。

最後に本人の思いの強さが重要でした。
長女が第一志望にしたのは模試で合格レベルに達していない学校でした。しかし、その学校には帰国子女を想定した英語の特別クラスが設置されているから、というのが長女がどうしてもその学校に行きたいと言った理由でした。私たちはそれを聞いた時、米国滞在中の経験が長女にとって大きな自負になっていることを理解し、たとえ他人から合格圏外と言われても、最後までその学校を目指すのだろうと思いました。つらい時期を乗り越えて、最後まで目標を変えず受験勉強を続けることができたのは、明確な理由があってその学校に行きたいと思っていたからだと思います。

本人の努力がなければ合格はなかったでしょうし、長女には自信を持って望んだ学校での中学校生活を始めてもらいたいと思っています。しかし塾や久保田先生、家族のサポート、そして幸運も含めて、何かが欠けていたら合格はなかったかもしれません。自分だけでなく、自分のことを大切に思ってくれる人たち皆が一生懸命頑張って、大きな目標は成し遂げられるのだということを今回の受験を通じて長女が学んでくれれば嬉しく思います。
そして幾つもの要素、多くの人の頑張りを合わせる際に、足りないところを本当にうまく調節して補ってくれたのが経験豊富な家庭教師の先生だったと思っています。だいぶ長く、また赤裸々すぎて恥ずかしい文章ですが、久保田先生に対する私達の感謝の気持ちを表すためには、私達が重要だったと思うことを素直に書く必要があるだろうとおもい、このような感想を述べさせて頂きました。子供の受験という一大事に臨むご家族、お子さんにとって、何かしらのお役に立てる内容であれば幸いです。
(以上、手記終了)



要職にあって多忙な日々の中、お父様がわざわざこのような記事をまとめてくださいました。
私自身も工夫したことも多かったですが、お父様お母様の様々なサポートが一番大きな支えであったのだということがよく分かりました。このようなご家庭から信頼を寄せていただけたことに感謝しています。
今や一学期の半ば、本人はどのような学校生活を送っているのでしょうか。
期待以上の学校であったことを祈るばかりです。

帰国生受験の体験記。(その2)

前回の記事の続きです。

以下、体験記の本文です。


上記(前回の記事で述べられた内容)の、受験問題を解けるようにするというテクニカルな点のほか、久保田先生のご指導で強く感じているのは精神的なサポートの的確さです。
親は子供の挑戦を心から応援しサポートしてあげたいと思っています。
しかし思いの強さはしばしば逆効果につながってしまいます。現状維持よりも少し上のレベルの学校に入れてあげたいと思うのが普通の親の心情でしょうから、多くのご家庭でお子さんに無理を強いてしまうのが受験勉強だと思います。
長女の場合は、久保田先生の指導と本人の真面目な性格のお陰で入塾直後は組分けテストの度にクラスが上がり、AクラスからBクラスへは順調に進みました。しかしここで大きな壁にぶつかります。何度も同じ問題を間違えたり、さらには受験勉強から逃避していると思われる様子がみられる様になりました。Cクラスに上がってもすぐにBクラスに降格するという事態が続きます。
壁を乗越えさせるために、現状維持以上の努力をさせなければならないという思いが親に出始めた時、きつい言葉が多くなります。おそらく親は自分と同じような分別のある成人を奮起させる場面をイメージしながら叱咤激励するのでしょうが、小学生の長女に伝わるはずがありません。気付けば長女はやる気を出すどころか完全に自信を失っていました。それがわかると親も自己嫌悪に陥り完全に負のスパイラルです。これが限界か、第一志望と考えていた学校は無理なのだろうかと考え始めます。
そんな時、久保田先生は冷静に正しい道を示してくれました。今の長女の学力は親が思っているほど悪くないこと、第一志望を諦める様な状況ではないこと、しかし努力して克服しなければならない弱点があることを淡々と、その根拠とともに解説して下さいました。
「大丈夫。」
だけでなく、「がんばらないとダメです。」というアドバイスには、いつもの説得力があります。
長女に対しても自信をもたせながら努力も促すという指導を、後半はして下さっていたと思います。
受験直前の窮地で、長女と私達両親が間違った方向に進まずに済んだのは、ここでも経験に裏付けされた久保田先生の的確なサポートがあった御陰であったと感じています。
(次回に続く)



身に余る言葉の連続で、引用するのも気が引ける気もするのですが、敢えてお父様の本音としてそのままに引用させていただきました。
真面目で、とても熱心に問題に取り組む姿を目の当たりにしてきたので、このお子さんの受験を何とかハッピーエンドにしたいというのが私の率直な気持ちでした。
1月の帰国生入試で不運な結果となりました。これについて、本人は英語と算数ができなかったことが原因と分析していたようですが、実は、受験校の先生に無理を申し上げてお聞きしたところ、「英語も算数もそれほど悪くなかった。失点が多かったのは国語だった」ということでしたので、敢えてそのことをご両親にもお伝えしました。
そのことで本人が再挑戦する気持ちになった様です。
私もそれを聞き、敢えて厳しく指導することとし、兎に角、「勝てる」受験生にしたいということを意識しました。
繊細な性格のお嬢さんの側面と、辛抱強く努力できるという側面とを併せ持つこの子を見て、暖かく見守ることと、厳しく突き放すことのギリギリの境界線を模索しながら指導していたように思います。
一度は涙まで見てしまいました。
やり過ぎたかと気にしつつ1週間を過ごしましたが、次の授業では、見違えるほどの逞しさで課題に取り組んでくれていて、正直、私自身が一番ホッとしました。
今思い返せば、このように半ば自慢げにすら語れますが、当時は本当に、私自身も必死で、判断力すら鈍っている部分もあったかもしれません。
でも、やはり、2年掛けて作った、私とこの受験生との絆は強かったのだと思います。
ひょっとしたら、以心伝心ということすら働いたのかもしれません。
真面目にひたすら私の言うことに徹する彼女の姿を見ていると、私自身も心底から嬉しくなりました。
こうしたお子さんとの出会いは、私にとっても貴重な天恵と言えるのかもしれませんね。

ご両親もそれを感じ取ってくださっていた様に思い、この手記を、実はとても嬉しく読ませていただきました。

改めて、私からも感謝を申し上げたいと思います。

昨年度の指導を振り返って。(家庭教師の効果)

今年中学受験した私の生徒たちは、早い子は小学5年の4月からの指導。一番遅くの指導開始は小学6年の10月からでした。
手前味噌になりますが、合格の結果は、指導期間が長かったお子さんの方が希望に近いものとなりました。

今年一番驚いたのは、帰国生受験を目指し、5年生の4月から見たお子さんです。
何に驚いたかは、最後にお伝えしましょう。
今回は、この子のことを話させていただきます。

長くなりますが、初めて頂いたご相談のメールから抜粋させていただきます。
お子さんが5年になったばかりの時期のご連絡です。

「5年生になる娘の個別指導について調べている中で、ホームページに辿り着き指導内容に惹かれたので御連絡しました。
中学受験を考えているため、この春期講習から○○塾(大手塾)に通い始めたのですが、もともと算数が苦手で問題を読んでも解き方が浮かばず、解説を聞いて分かった気にはなるようですが次に同じ問題でつまずいてしまっている状況です。
公文は中学生のレベルまで進みましたが、この3月まで1年半アメリカに父親の仕事の関係で行っていたこともあり、日本の学校の授業を受けていないというのも一つの大きな要因かと思います。
夫が中学受験の経験もあり教える事はできても、算数の苦手意識も強く、本人が試行錯誤して考えていこうと思う方向に向かっていないのが気になっています。
○○塾に通っているという事でそちらの教材を使っていただければ一番だと思うのですが、その前に基礎的な事から抜けている事も多いと思います。
ですので必ずしも○○塾の授業に対応してでなくてもいいのかもしれません。

現在の先生のスケジュールの空き状況から、家庭教師をお願いできるか分かりませんが、可能でしたら一度体験授業をお願いいたします。」

体験授業に伺ったのは4月の中旬でした。
塾のテキストを使って、最近塾で習ったことを一緒に学習してみました。
すると、ゆっくり説明していけばしっかりと説明の内容を理解できるということが分かりました。計算の力も充分でした。
体験授業の後に、次のようなご返事をいただきました。

「体験授業、ありがとうございました。
先生が帰られた後『この問題どうしてこうなるか分かる?』と自分からメモを見ながら説明してくれました。
算数の問題に対して、あのような良い表情で話してくるのは本当に久しぶりでした。どうしてそうなるのか自分でも納得がいって嬉しかったのだと思います。
 成績の向上はもちろんなのですが、このような分かった時の面白さ、楽しさを少しでも感じながら勉強していく事も大切にしたいので、引き続き指導をお願いします。」

帰国して間もないということもあったのでしょう、通っている塾での成績は良くありませんでした。特に算数は、塾の授業はほとんど定着していないという状態でした。
体験授業をしてみて感じたのは、とてもペースがゆっくりだということでした。書くこと自体だけの話しではなく、理解するペースについてもです。
しかし、きちんと話しを聞く姿勢は出来ていました。つまり、納得するまで先に進まないということです。
多分、塾の授業は、先生の説明のペースが速すぎて、この子が理解し終わらないうちにどんどん先に進んでしまっていたのでしょう。
ひとつひとつの内容についての理解力に心配はありませんでしたが、かみしめるように話しを聞いていくのです。
「今の説明、分かったかな?」と尋ねると、
分かった時はすぐに「はい」と答えてくれるのですが、分からなかった時は黙って首を傾げています。
「まだピンと来ない?」と尋ねると、「はい、まだちょっとよく分かりません。」と答えてくれます。
そこで、もう一度、少し表現などを変えながら説明をします。
しばらく考え、やっと理解できると、パッと表情が明るくなります。実に分かりやすい子です。よく、素直な子が伸びると言われますが、まさにこの子は素直そのものでした。
そして、一旦理解できると、今度は自分で考えながらノートをまとめていきます。ほとんど私が説明した通りの流れなのですが、単に私のノートを写すのではなく、考え考え自分で式や図をまとめていくのです。
分からなくなると時々私のノートを見て確認したりもしながら、それでも自力でノートをまとめていくのです。
この子はきっと伸びるなと直感しました。
とは言え、書くのも遅かったので、塾のテストの成績は、私が指導した途端にグンと上がったという訳ではありませんでした。
それでも、クラスが上がれば素直に喜び、でも一段と指導のペースが速まったことに驚き、そしてまたクラスが下がったり。そんな繰り返しで小学5年の学習を進めました。
使ったのは通う塾の教材だけです。

5年の終わり頃でしょうか、お母様から、「あまり都内の中学の事は分からないので、先生がお薦めの学校ありますか?」とお尋ねがありました。
「今は借家なので、良い学校があれば引っ越しても構わないと思っています。遠くの学校でも良いと思う学校があれば教えてください。」と言われました。
そこで、思いつくまま、都内及び近県から5~6校の名前を挙げました。

その中の1つが第一志望となりました。
帰国生入試が一般入試とは別に設定されているというのも魅力だったのかも知れませんが、学校説明会に行った上で決めたということで、雰囲気や指導方針や先生方の様子なども気に入られたのだと思います。
ただし、6年生になってから受けた模試の結果では、その中学の帰国生入試の合格ラインにも届いていませんでした。一般入試の合格可能性はもっと低いものでした。

その子は、塾での授業のペースに付いていけないということが問題だと思ったので、ひたすら予習をしました。まず私と各単元を学習し、ポイントをつかんだ上で塾の授業を受けさせたのです。ですから、塾での先生の話も理解できるようになり、授業も苦痛ではなくなっていったのだと思います。
週末毎に行われる確認テストから、まだ理解しきれていなかった問題を洗い出し、翌週の指導の冒頭に説明しました。

夏休みも終わり、秋からは過去問演習に入りました。
塾の先生からは、まだ算数はやってはいけないと言われていたようですが、私は、過去問演習の目的は、問題の出題形式に慣れさせることと、どのような単元がどのように出題されるのかを実感させることと考えているので、その子のレベルに合わせながら、可能な限り早めに始めるようにしています。
この子は9月半ばになってからでしたが、昔、この生徒と同じ中学を第一志望にしていた子には、8月の冒頭に過去問演習を始めさせました。
合格ラインなど全く気にせず、どんどん進めさせました。
本人は点数を記入していたようですが、私は点数も見ませんでした。
何が苦手か、何が得意か、どの問題をどのように解いているか、それだけをチェックしていきました。

続けていくうちに、その中学の出題レベルでは、図形問題が得意な反面、速さに苦手意識があるのがつかめてきました。
でも塾の教材以外の宿題などは出しませんでした。なぜなら、過去問演習を続けていけば、前に解けなかったような問題がまた出てくるからです。
間違えた問題の解き直し、ただそれだけを課題にしました。塾からもかなりの宿題が出ているようだったので、それで充分だと判断しました。

結果としてこれが良かったのだと思います。
模試では合格ラインに届いていませんでしたが、無事第一志望のこの中学に合格しました。

では、この子について驚いたこととは何だったのでしょうか。

それは、帰国生入試では不合格だったのに、それより偏差値の高い、一般入試で見事合格したということです。
入試問題の算数のレベルは、帰国生入試より一般入試の方が高いです。それでも、一般入試では、2科で既に合格ラインをクリアしていました。一般入試も含め、きちんと過去問演習を続けてきた効果があったのでしょう。
また、帰国生入試から一般入試まで約2週間ありましたが、この間にも力を付けたのでしょう。これはやはり学校への思いの強さがあったからだと思います。

このお子さんは、家庭教師をつけたことが功を奏した一番の例だと思います。
家庭教師の効果は大きく二つあると言えます。

第一は、その子に必要なことがはっきりと分かり、最適のフォローができるということです。
塾の授業だけでは算数の点数が取れないというお子さんは、算数が苦手なのではなく、塾の先生の説明のスピードと、本人が理解していく速さのペースが噛み合っていないだけということが多いです。
そのことを見抜き、その子が一番理解しやすいペースで学習レベルを深化させていくことができるのは家庭教師ならではだと思います。
また、塾に通いながら、塾の勉強とは全く別に、基礎力を付けましょうと異なる問題集をやるのもあまり効果がないと思います。塾に通い続けるのであれば、塾の授業を効率よく受けられるようにするということが最優先だと思います。その中で、必要な基礎事項を補っていけば良いのです。

第二は、過去問演習を早くから始められ、木目の細かいフォローができるということです。この子が良い例ですが、過去問演習をきちんとやっておくと、模試の合格可能性を超えた受験が可能になるのです。誰でもこうなるという保証は出来ませんが、開成、桜蔭といった学校でも、6年秋以降の模試ではあまり高い合格率が出なかったお子さんも合格したこともありました。それは過去問演習を続け、解けなかった問題に必要な考え方や知識を確認し、定着させていったからです。
今回例に挙げさせていただいたお子さんは、ほぼ2年に及ぶ指導期間があったので、過去問演習に入ってからも、それまでの指導の延長でフォローできたので無理なく進めることができたと思います。
また、苦手だと思っていた平面図形が、志望校のレベルであれば充分に対応できるということが分かったのもとても良かったです。こうしたことは長く指導していたからこそ言えることです。

個別指導塾や家庭教師さえ付ければそれで何でもオッケーということは言えませんが、より効率よく学習を進められるようになるのは確かです。
ただし、そこで何をフォローしてもらうのか、それは親がきちんと確認しなければいけません。この記事が、その為の参考になれば幸いです。

テーマ : 中学受験
ジャンル : 学校・教育

家庭教師の一番の喜び。

教えた生徒が志望校に合格すること、確かにこれは家庭教師にとって、非常な喜びです。
ですが、もっと嬉しいこともあります。

それはかつて教えた子が立派に育ったと知ることです。

勉強を教えたのは合格を勝ち取る為というはっきりした目標があってのことだったのは確かです。
ですが、単に合格することだけを意識して教えてきたのではありません。
知的好奇心を刺激し、自分で考える姿勢を少しでも育てられればとも意識していました。

今年も年賀状を多数いただきましたが、久しぶりの生徒からのものも何通かありました。
高校生となって、ニュージーランドの留学から帰ったところですという報告がありました。
お人形さんの様な、小柄な女の子だったのに、高校生となって異国に留学してきたとは、今の姿は全く想像できません。
別の子は、第一志望に合格させてあげることはできなかったのに、博士課程に進んだと、これはお母様からのご報告。
また、別の子は、数学オリンピックで上位入賞を果たしたとのこと。
かつての小学生たちが、皆私をビュンビュン追い抜いていきます。
ライバルと見たら悔しい限りですが、かつての教え子として見ると、これらに優る喜びはありません。

そして、こうした立派な報告でなくとも、忘れずに近況を知らせてくれる連絡も嬉しい限りです。
私の敬愛する大村はま先生は、卒業した子は、私のことなど忘れてもっとどんどん大きな世界に羽ばたいて欲しいと著作にお書きになっていました。その気持ちもよく分かりますが、子どもが、何年も経ってから、ふと思い出して近況を知らせてくれるのは本当に嬉しいことです。
ありがたいことです。

とは言え、子どもにも色々なキャラクターの子がいます。
だから、密かにテレパシーだけを送っている子もいることでしょう。
もし私にそれが感じられていなかったとしたら、それは単に私が鈍いというだけのことです。

私のと縁が、彼ら彼女らの未来に、少しでも良き影響を与えられたのであれば、これに優る喜びはありません。

本日、本年の仕事始めでした。
年頭にあたり、新たな一年、自らを更に鼓舞する為の喜びの言葉を述べさせていただきました。

学校説明会

学校説明会、先日行ってまいりました。
昨年に続き、今年の生徒からもその学校を受たいという申し出があり、昨年はただ過去問指導だけだったのですが、今年は学校にも問い合わせてみました。
すると、近々説明会があるのでご参加くださいというお話をいただき、行ってまいったという次第です。
入試問題についてのかなり詳しいお話がありました。
また、出題内容に加え、採点基準、部分点の根拠や科目毎の基準点などについてもお話がありました。
とても参考になりました。
昨年は急な決定だったので、過去問を指導することで精一杯でしたが、今年は早めに受験校が決まっていたのでこのような対応もできたという次第です。

さて、そうした貴重な説明を聞けたことも大きな成果ですが、もっと大きな喜びが待っていました。
昨年指導し、この学校に進学した子との再会です。
説明会後に、校内案内があったのですが、そこでの再会です。

今にして思えば、無謀ともいえるチャレンジでした。
6年生の9月になって突然私立中学受験がしたいと言い出したというお子さんの指導だったからです。
「いろいろな塾や家庭教師センターなどに相談しましたが、今からは無理ですとどこからも受け入れてもらえなかった」ということで、9月も半ばを過ぎてのご相談でした。
私としては、どのようなご相談にも極力応じるというのがポリシーですので、このご家庭にも話を伺いにいきました。
とりあえず志望校をお聞きし、そこの過去問を入手し、何から始めるかを決めていきました。
いわゆる中学受験独特の内容については全く太刀打ちできない状態でしたが、小学校で習ったであろうことについてはそこそこの基礎力は付いていました。
そこで、みくに出版のベストチェックをまず突貫工事で進めることにしました。
結果として、そうした即席の対応がうまく功を奏したということです。
なぜなら、その子は志望校に合格できたからです。

ギリギリで入ったからひょっとしたら苦労しているかな~
などと老婆心を働かせたりもしていましたが、便りのないのは良い便りと、その後に何の連絡もないことにホッとしたりもしていました。

その子の授業風景を見ることができたのです。
目と目が合い、キョトンとしていた様が印象的でした。
なんで先生がここにいるのというのが本音でしょうか。
あろうことか、能力別授業で、最高レベルのクラスで受講していました。
私に次の予定があったので、その子の授業終了まではいられず、直接の話はできませんでしたが、顔つきに精悍さが加わっていたようにも感じ、安心してその学校を後にしました。
髪型も変わっていたし、道ですれ違ってもひょっとしたら気が付かないかもしれません。
顔を見られて本当に嬉しかったです。

こうした楽しみは、保護者の方には体験できない、学校説明会での味わいだと思います。
男女を問わず、複数の学校で味わえます。
人懐っこい子、照れ屋の子、色々なキャラクターの子がいますからどこでも同じになるわけではないのですが、私はそれぞれの子の成長ぶりを目の当たりにして、いつも感激します。
中には第一志望に入れてくれなかったのは先生のせいだとでも言いたげに、ちょっと寂し気に私を見る子もいますが、私はやはり嬉しさでいっぱいになります。
その後に、中学での学習について相談の連絡をしてくる子もいます。

来年も、たくさんの子どもたちとこうした再会を果たしたいと感じる、今日この頃です。


中学受験の為の、6年生の学習スタイル。

中学受験をする場合は、小学校の授業内容だけでは不足なのは確かで、それを補完するための、特別の準備が必要になります。
その「特別の準備」についてお話しします。
久保田塾も、その「特別の準備」のお手伝いをしていますので、私がどのような仕事をしているかも関連してお話しします。
私についての話は算数に限っての話です。
中学受験の為の特別の準備、大きく二つのスタイルがあります。

一つ目は一般的なスタイルです。
集団塾に通うということです。
更に、弱点があれば、それを個別指導や家庭教師にフォローしてもらうという形です。
私自身、現在も四谷大塚やサピックスに通うお子さんのフォローを依頼されています。
この場合、予習主体で行くか、復習中心で行くかに、また分かれます。
私は、お子さんの特性やご家庭のご希望に合わせてどちらにするか決めています。
一般には、サピックスでは復習主体、四谷大塚では予習主体となります。
それぞれの塾の方針がそうなっているからです。
塾の教材もそれぞれの学習スタイルに合わせて作られているので、自然とそうなっていきます。
四谷大塚を利用されているご家庭からも復習中心が良いのではとご相談をいただくこともあるのですが、毎週行われるテストの結果を見ると、予習中心に進めた方が、良い結果となっています。

二つ目は、集団塾には通わずに、通信添削やネット授業を使って、家庭学習を中心にして受験勉強をするというスタイルです。
最近増えてきたように感じます。
昔からあったのかもしれませんが、私へのお問い合わせに、そうしたスタイルで受験準備をされているご家庭からのものが増えてきているのは確かです。
帰国生受験を目指すという方に特に多いようですが、習い事などを続けながら受験するというご家庭は、一般受験でもこのスタイルを選択している場合もあります。
通信添削やネット授業を受けている場合は、それらで支給される教材を使うのは言うまでもありません。
どこにも通わずに、完全に家庭学習だけで算数の準備をしている生徒を指導することもあります。
この場合は、私はあえて予習シリーズなどの塾教材は使わずに、市販のものから選ぶようにしています。
今年も、このスタイルの生徒も指導していますが、「応用自在」を使っています。
一冊で全てが網羅されているのは、後々、過去問演習に入って、細かく復習をするときに便利だからです。
勿論、不足している部分もあります。それらも、新たな紙に書いて、それを関連するページに糊で付け足していきます。
この一冊に全てが込められていると思うと、何だかとても安心した気分になれます。

その他、話題からは逸れますが、高校受験の為の準備を小学生から始めるというご家庭もありました。
以前、お一人ですが、そうした希望の生徒を指導したことがありました。
その場合、小6ではありましたが、新Aクラス数学問題集という、難関私立中学で実際の授業に使われているものを使って指導していきました。こうした指導は、まさに個別指導ならではのものだと思いました。


大村はま先生

大村はま先生は、生涯を一国語教師として全うされた方です。
なぜ先生の名前を知ったのでしょう。
覚えていません。
テレビででしょうか、図書館で偶然手にした本からででしょうか。

先生の本は6冊持っています。
国語の教え方についての本なのですが、「教える」ということがどういうことかを知る為に読んでいます。
国語については、私よりずっと教え方のうまい先生方がたくさんいらっしゃいます。
だから、国語の教え方を知りたくて買ったのではありません。
1冊目に何を読んだのでしょうか。
それすらも忘れてしまいました。
でも、その衝撃が強くて、先生の本なら何でも読みたいと思って、書店で見掛ける度に買い足してきました。

どの本を読んでも感銘を受けます。
ただ、先生の本は、書き込みができません。
なぜかというと、全ての行、全ての言葉が響いてくるからです。
つまり、全ての言葉に線を引きたくなってしまうのです。
率直な思いを率直に語られているからでしょうか。

卒業生を送り出し、新たな子どもたちとの学びが始まるこの時期、
時々先生の言葉に触れたくなります。
でも読みたい本が山積みで、先生の本も熟読しながらの再読はできません。
それでも、どのページを開いても心に響いてくるので、いつも近くには置いてあります。

例えば、先生はこのような事を書いていらっしゃいます。
「私は最後まで、子どもへの話は練習してから、やっていました。おとなへの講演ではメモくらいしか持たないとしても、子ども達への話は、練習なしでいきなりということはしませんでした。」(「教師 大村はま96歳の仕事」小学館)
理解力が足りないから補う為、ということではないと思います。
何を伝えるかをしっかりと自覚して子ども達に向き合う為、だったと思います。

現在の教育界で、大村はま先生がどのような評価を受けているのか知りませんが、私にとっては、直接お会いしたこともないのに、永遠の先生の一人です。
今日もふと手にした先生の本に勇気づけられ、このような記事を書いてみたくなったという次第です。

親が子を育てるときに、どのようなことが大事なのかと考えることへのヒントにもなるような気がします。

琴奨菊の言葉

2016年1月場所で優勝した琴奨菊関は14勝1敗の成績でした。
その1敗をした夜、彼はどう行動したか。
悔しかったそうです。当然です。
しかも相手は一番の仲良しでライバルの豊ノ島。
その日、帰宅してすぐに、彼はトレーニングに励んだそうです。
そして一通りのメニューをしっかりこなし、次のように思って寝たそうです。
「今日より明日の方が強くなっているから大丈夫」

受験も同じです。
万が一、思わぬ結果となったとしても、勉強すれば良いのです。
そして、その日より次の日、より賢くなっていればそれで大丈夫なのです。

人は試練により、よりたくましく成長するのでしょうね。

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生徒に教えられる。

家庭教師の面白いところは1対1の対話だということです。
こちらが何かを一方的に教えるのではなく、情報のやり取りをしながら、お互いの思考や感性を磨きあっていくというイメージでしょうか。
だから、ただ何かを先生から習うというのとは少し違います。
こちらに完全な答えがあって、それを子どもに伝えていくだけではないのです。
勿論、そういう面が大きいのは言うまでもありませんが。

さて、時々私が子どもからハッとさせられるような発想を受け取ることがあります。
久々にその体験をしました。

次のような問題、皆さんはどう解きますか。
(画像をクリックすると大きくなります)
立方体の個数を数える問題

一般的には上から順に個数を数えて足していきます。
一番上の段は1個
その次の段はそれに2個増えて3個
その次の段はさらにそれに3個増えて6個
以下同様に、順に
6+4=10個
10+5=15個
15+6=21個
そして、これらを足します。
1+3+6+10+15+21=56
答え 56個

ところが、ある生徒の答案を見て面白いこと考えるな~と感心してしまいました。
彼の答案は次のようななっていました。
(画像をクリックすると大きくなります)
立方体の数え方

この子はたてに何個あるかを順に考えていったのですね。
なかなかの空間把握力だと思います。
参考書や問題集によってはこの子と同じように説明しているものもあるのかもしれませんが、私はこれまでまだ見たことはありませんでした。
この子は特別に算数が得意ということではないのですが、時々こうした独自の考え方で正解を導きます。
中にはとても遠回りな時もあるのですが、その都度、どうしたらより効率的に解けるかと言った話もします。
その子の発想をまず認めた上で、さらに強化するといった発想で説明していくと素直に聞いてくれます。
力は更に増すと思います。
その時、同時に、私自身の力も増しているのは言うまでもありません。



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体験授業でまずやること。

受験が終わると、すぐに次の受験生への対応が始まります。
新規のお問い合わせもいただきます。

まずは、90分の体験授業を行いますが、最近はほとんどの子に対して同じ話しが出ます。
そういうポリシーということではなくて、結果としてそうなるのです。

以前に、かつての上司であった西村則康先生のことを書きましたが、先生の著作やテレビ出演時のお話しから、私も、子どもの鉛筆の持ち方に注目するようになりました。
そうしたら、先生の仰った通り、鉛筆の下の方を持つ子が本当に多いのです。
そして、そのような持ち方をしている子は確かに字も乱雑です。

「受験というのは、受ける学校の先生に手紙を書くようなものなのだよ、しかもこちらからの思いを伝える手紙を書くのだよ。
その字が汚かったら、気持ちをストレートに受け取ってもらえないかもしれないね。」

そうした話しが出ることが多いです。

更には、式の頭をそろえない子も多いです。
あちらに筆算、こちらに数式、解答スペースの真ん中や下の方から書き出す子もいます。

「手紙を書くときに、各行の頭をそろえるのは当然だよね。
しかも、横書きの手紙なら、上から下に順番に書いていくよね。
式や考え方を書くのも全く同じなのだよ。」

この話もよく出ます。

昨年、知人からのご紹介の方だったので、最後の追い込みの過去問指導だけをお受けした子がいました。
その子の場合も、まず取り組んだことは、式を解答スペースの上左から書き出すということでした。
また、図をほとんど書かない子だったので、自分で問題の中身をつかむ為にも図がいかに有効かを説明しました。
そういった指導は集団塾ではほとんど為されていませんね。
集団塾ですから、それも致し方ないとは思いますが、もっともっと重視していくべき点だと思います。
そうした指導をしていくだけでも模試の点数に影響します。
最終的にはこちらが強調したポイントをきちんと理解してくれたせいか、第一志望の桜蔭中学に合格しました。
もしあのような指導をしていなければ、少なくとも部分点はもらえない答案だったと思います。

今年も、先日体験授業したお子さんのお母様から次のようなメールをいただきました。

「いつも父親に、式を揃えることや
上から書いて行くこと(真ん中から書き始めたり、あちこちに
書き散らかしたりすること)を注意されていますが、
とにかく直らずにおりました。
先生のところでも、全く同じ事を言われておりました。

でも、昨日帰ってから夜の勉強では、自分でいつもより
気を付けて書いていたと思います。
やはり親では聞き流すことも
先生に言われると気を付けようと思うのですね。」

こうした指導も、個別指導、家庭教師指導の大きなポイントだと思います。

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プロフィール

久保田塾・塾長

Author:久保田塾・塾長
東京都内、自宅にて個別指導、都内近県にて家庭教師をしています。
受験対策でも不登校児へのフォロー指導でも、私を頼る者全ての力になりたいと思っています。
でも、出来ない事は出来ないので、その時は、よりふさわしい先生をご紹介したり、次善の策がないかを模索したりします。
一番得意なのは中学受験の算数指導。「どんな問題でも解ける」という事より、「志望校に合格するにはどういう力を付ければ良いかを伝える」のが大事なのです。そのことを分かっていない保護者の方々、現役の塾講師、家庭教師の先生方があまりにも多い。
教育ネタが中心になると思いますが、趣味に走ったりもするかも。
前から興味のあったブログというのを始めて、ちょっとワクワクの「え~年のおっさん」です。
(2008年2月2日(先勝)・ブログ開始)

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