救いはふいにやってくる。

スーザン・ボイルへの世界の関心は日々深まっていくようだ。
既にWikipediaにスーザン・ボイルという項目まで出来てしまった。

この混乱しきってしまった世の中で、今誰からも批判されることのない唯一の人が彼女ではないのか。
彼女を受け入れないという人はいないと思うが、彼女への反応が、その人の人となりを判断する試金石となるような存在とまで言って良いのではないか。
誰もに感動を与え、誰をも力づける存在。
まるで救世主が舞い降りたような気さえする。
彼女の世俗的な振る舞いの一つ一つにすら、宗教的な神々しささえ感じてしまう。

彼女について、様々なコメントが為されているが、一番大事なことを誰も言わないような気がするので、あえて書く。
私が一番感銘を受けたのは、無名であり続けながら、歌を愛し、歌を練習し続けた彼女の生き方だ。
プロの歌手になりたいという彼女の夢も、歌を愛し、自分の歌声を客観的に判断できる力まで備えているから生まれたことだろう。
自分の力を知り、それを磨き続けるということが誰にとっても一番大切だと思う。
そのことを彼女が無意識に世界に発信してくれているのだ。


スーザン・ボイルの1999年の歌声が聞けるサイト




テーマ : 音楽的ひとりごと
ジャンル : 音楽

二人の感動的な女性との出会い。

感動とは、感極まり心動かされること
と勝手に解釈している。

年をとると感動する力は薄れるのかと思っていたが、この頃、感動することが続いた。
感動を通り越し、驚き、驚愕(きょうがく)というべきかもしれない。

最近、特に大きな2つの感動を得た。
それぞれ、魅力的な女性との出会いでもあった。

1つ目はリリ・ブーランジェ(Lili Boulanger)という女流作曲家の作品。
どれということではなく、聞いた作品すべてが素晴らしかった。
1918年に(わずか25歳で)亡くなった、これほどの作曲家の作品を、というより、作曲家自身のことも、ついこの間までは知らなかったのだから、これまでの人生、何をやっていたのだろうと思う。

聴いたのは、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮のロンドン交響楽団のCD。
輸入盤販売店の試聴機で偶然聴くことができた。
カップリングされていたストラビンスキーの「詩篇交響曲」を聴こうと思い、最後のコーラスの部分を飛ばし聴きしたついでに聴いてびっくりだった。
合唱、独唱とオーケストラのための作品が4つ収録されていた。
詩篇をテキストとしている作品なので詩篇交響曲と組み合わされたのだろう。
早速購入し、今は毎日のように聴いている。
聴くたびに生きる喜びが沸いてくる。
第九の最終楽章ばかりが続くような感じだ。
(表現や音楽技法はずいぶんと異なるけれど)

2つ目の感動は朝のニュースショーで知った。
つい先日(4月11日に)イギリスで放送された素人オーディション番組に出演した、47歳の女性の歌声についてのニュース。いや、その女性その人自身についてのニュースというべきか。
スーザン・ボイル(Susan Boyle)
今はyoutubeで全世界で500万回以上アクセスされているらしい。
今日も明日もアクセス数は伸びていくだろう。
私ももう10回以上聴いた。
もちろんお気に入りにもすぐに加えた。
何度聴いても(見ても)心動かされる映像だ。
そう、この人の場合、単に素敵な歌声というだけにとどまらないのだ。
見た目と歌声のギャップがあまりにも大きいのだ。

この人の歌う姿、歌声を聴いていると、やはりなんだか物凄いパワーが沸いてくる。

Susan Boyle

47 Year old Susan Boyle wows the judges with her performance in the auditions for Britains Got Talent, singing I dreamed a dream from Les Miserables.

彼女が歌ってる歌の歌詞も一緒に読んでみるとより興味深い。
Here are the Lyrics(Thanks to NewHotdox) -

I dreamed a dream in time gone by
When hope was high,
And life worth living
I dreamed that love would never die
I dreamed that God would be forgiving.

Then I was young and unafraid
When dreams were made and used,
And wasted
There was no ransom to be paid
No song unsung,
No wine untasted.

But the tigers come at night
With their voices soft as thunder
As they tear your hopes apart
As they turn your dreams to shame.

And still I dream he'll come to me
And we will live our lives together
But there are dreams that cannot be
And there are storms
We cannot weather...

I had a dream my life would be
So different from this hell I'm living
So different now from what it seems
Now life has killed
The dream I dreamed.


スーザン・ボイル(ノーカット版)

スーザン・ボイル(日本語字幕つき)


こうなると、これも落とせませんね。

ポール・ポッツ

ポール・ポッツの学生時代


これも見てみて欲しい。

ビアンカ・ライアン



YouTubeはまさに「どこでもドア」「いつでもドア」ですね。


テーマ : お気に入り&好きな音楽
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マーラーの3番(その2)

「思考停止の音楽」と呼んだ部分は実は「飛翔」という感じだという話をした。
驚喜のトレモロに乗って、冒頭と同じく8本のホルンが一体となってffで叫ぶ。
冒頭の整然としたメロディとはほど遠い、のたうつような叫び声だ。

テーマ : クラシック音楽
ジャンル : 学問・文化・芸術

独自の世界。マーラーの3番(その1)

世界をどう語るか。
数学や物理学が一つの世界の見方の提供であるように
音楽もある種の世界観の表明である。

久しぶりにマーラーの3番を聴いた。
iPodのお陰で、音楽を聴く機会が増えた。

これまで、細切れの鑑賞が多かったから
ジャズやポップスを聴くことが多かったが
iPodの凄いところは、何でも取り込んでおける点だ。

で、ちょっとウェザーリポートに聞き飽きたところで
メニューを探っていたら、最近取り込んだフィガロやトリスタンに混ざって
マーラーの3番が出てきた。
もう何年ぶりだろう。
なぜ入っているかと言えば
先日図書館からフィガロなど何枚か借りた時に、
サロネン指揮・ロサンゼルスフィルの3番も目に付いたからだ。
マーラーはバーンスタインが一番だと思っていた。
だが残念なことに、買い集めたのがLP時代だったから
iPodのような秘密兵器には取り込めないままだった。

マーラー自体が独自の表現形式の作家だと思っていたが
その作品の中でも、この3番は特別だと感じていた。
雄大で清らかで精緻で奔放で・・・・・

これほど自由にモノを語れる人がいたことに愕然とした記憶がある。
マーラーには、音楽学校の生徒達に、
「作曲するならドストエフスキーを読みなさい」とアドバイスしたという逸話があるが
その話はまさにこのような音楽作品を作れた人ならではという気がする。

で、久しぶりに聴いてびっくりした。
昔からこの曲に感じていたのは、
雄大な宇宙そのものを象徴した大規模な作品との印象だったのだが
今回聴いて感じたのは、とても繊細な作品だということだ。
いきなりホルン8本のユニゾンがff(フォルテッシモ)で朗々と肯定的なテーマを歌う。
力強い微笑みや励ましを感じる。
無伴奏のこの歌い出しに
弦のトゥッティ(全合奏)がやはりffで相づちを打つ。
この出だしの印象があまりにも強烈なので、この作品自体が大げさで強さが前面に出た
雄大なだけの作品という印象があったのだ。

ところがだ、この雄大な出だしの直後に
もう「まどろみ」が始まっていた。
練習番号1(全音出版のポケットスコア)ではホルンはpp(ピアニッシモ)になっている。
ラー、シラシラシラシラー
という眠くて仕方ないといった趣のテーマを呟くように吹いている。
この「まどろみ」の世界に、唯一鋭く釘を刺すような弱音器付きのトランペットの雄叫びが差し挟まれるが
これは「まどろみ」ながら見る白昼夢にうなされた人のうわごとのように聞こえる。
背後には、定期的に、軍楽的な行進のリズムが聞こえる。
出だしで朗々と歌っていたホルンは
切れ切れのメロディーを時々大声でわめく。
もやもやとしたまどろみの世界は
あっという間に、昼間見る悪夢へと変わっていたのだ。

練習番号11から、突然、弦の高音のトレモロに乗って
木管のかわいらしいハミングが始まる。
白日の悪夢から覚めたのだろうか。
それとも夢の中で天使が表れたのであろうか。
オーボエの流れるようなソロに続き
ソロヴァイオリンが乙女の恥じらいの様な歌を歌う。
でも、この清純な世界も長くは続かない。
また不穏な軍楽的な行進のリズムが始まる。
この雰囲気を保ったまま
こんどはトロンボーンがけだるいメロディを歌い出す。
伴奏のリズムは終始pp(センプレ・ピアニッシモ)と指示されているのに
トロンボーンのメロディにはffと指示されている。
このメロディ自体が、3連符が多くて、逡巡している感じ。
悩める若人の独白のようだ。
先ほど見た夢を思い出しているのだろうか。
しかし、練習番号18から、また清純な木管のハミングが復活し
しばしの安息を感じさせる。
このハミングは、弦の軽やかなリズムを導き
安定したテンポの落ち着いた楽想へと落ち着く。
確実に目覚めたという感じだ。
鳥のさえずりのようなピッコロが心地よい。
この安定した伴奏の上に、冒頭のホルンの力強い歌が復活する。
断片的な叫びから、朗々とした歌へと戻っている。
練習番号23からだ。
練習番号24には、トランペットのファンファーレも聞かれるが
もう弱音器も外され、にこやかで英雄的な音楽に変わっている。
弦の合奏も歌う。
楽器がどんどん受け流され、誰もが陽気に快活になった感じ。
音楽があふれ出してきたといった感じがする。
この英雄的な音楽は永遠に続くかのように感じさせていたのに
練習番号28の後半から、突然嵐のような楽節がわき起こる。
ハープのグリッサンドが効果的だ。
私は、この曲を初めて聞いた時から
この部分を「思考停止の音楽」と呼んでいた。
今聞くと、「停止」ではなく、「飛翔」という感じだ。
ユリイカと呼ぶのだったか、「あっ閃いた(ひらめいた)!」という感じだ。

もう生徒が来る。
今日はとりあえずここまでにしておこう。

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プロフィール

久保田塾・塾長

Author:久保田塾・塾長
東京都内、自宅にて個別指導、都内近県にて家庭教師をしています。
受験対策でも不登校児へのフォロー指導でも、私を頼る者全ての力になりたいと思っています。
でも、出来ない事は出来ないので、その時は、よりふさわしい先生をご紹介したり、次善の策がないかを模索したりします。
一番得意なのは中学受験の算数指導。「どんな問題でも解ける」という事より、「志望校に合格するにはどういう力を付ければ良いかを伝える」のが大事なのです。そのことを分かっていない保護者の方々、現役の塾講師、家庭教師の先生方があまりにも多い。
教育ネタが中心になると思いますが、趣味に走ったりもするかも。
前から興味のあったブログというのを始めて、ちょっとワクワクの「え~年のおっさん」です。
(2008年2月2日(先勝)・ブログ開始)

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