つるかめ算と御三家

もうかなり前の話ですが、麻布中学と開成中学で同じ年に時計算が出たことがありました。
以前このブログでも取り上げたことがあります。
麻布と開成で時計算
時計算は条件を様々に変えやすいのであり得る話ではありますが。

さて今年も2月1日から今日まで、ずっと最新の入試問題を解き続けています。
今年も面白い現象がありました。
桜蔭、女子学院、麻布でつるかめ算が出題されたのです。
文章題としては最も基本的なものだけに意外な感じがしました。
もちろん御三家の出題ですから、一見してつるかめ算と分かるものではありませんが、条件を整理していくと、何だこれつるかめ算じゃないかと気づく様な問題でした。
そのことに気づけた子は簡単に正解できたかもしれません。
ただし計算もかなり面倒くさいものでしたし、桜蔭の場合は、もう一ひねりもありましたから、そこもきちんとクリアできたかがポイントですが。
具体的な問題番号を記しておきましょう。
桜蔭 Ⅱ(1)②
女子学院 2.(1)
麻布 2.

つるかめ算は去年の浦和明の星の4.に出ていて、難関校でもこんな基本的な問題も出すのかと思ったものですが、まさか、それにヒントを得た訳でもないでしょうが、今年の難関校の作問担当の先生方も同じようなことを考えられたようです。
中学受験をする子たちにとって、つるかめ算の学習は必須ですから、出題されても特にびっくりすることはないのですが。

言いたいことはただ一つ。
基本を大事にしていきましょう、ということです。

ただし、更に言えば、様々な問題に取り組んできた子にとっては、それがつるかめ算だと意識しなくても、自然に解法が浮かぶだろうということです。
御三家を受験するレベルではこれが自然かもしれません。

ちょっと脱線しますが、昨年の女子学院の算数は、解いていて泣きたくなるほど簡単な問題ばかりでした。
今年はその反省という訳でもないと思いますが、また骨のある問題が増えていました。
その中で、この一問は絶対に間違えてはいけない問題と言えるでしょう。

麻布のも、計算が少し面倒ですが、内容は基本に近いものでした。
唯一、桜蔭は同じつるかめ算でも、さすがにひねりが効いていました。
麻布にあってもおかしく無いような問題でした。

来年の受験に向け、基本をしっかりと固めさせるということを改めて肝に銘じました。


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書き出ししていく問題。

小学3年生の指導をしています。
ご家庭で問題集を購入済みで、それらを一緒にやっていって欲しいとのご希望から始めました。

ところが、6年生の指導をしていて、入試問題に偶にある、書き出しで答えを見つけていく問題を見たとき、これは3年生にも解けるかもしれないなという考えがふと脳裏をよぎりました。
試しに、6年生に指導したばかりの問題を、3年生に解かせてみました。
そうしたら、予想通り、ものすごく面白がって解くではないですか。

例えば次のような問題。

「2けたの数で、10の位と1の位の数をかける計算をします。
例えば、37なら、3×7=21になります。
できた数が1けたになったら計算をやめます。
この計算を3回繰り返して8になる数のうち、最も大きい数と最も小さい数はそれぞれいくるですか。」

6年生では苦手とする子が多いです。
一つでも書き漏らしたら正解にならないというあいまいさが嫌われる理由だと思います。

3年生に、このまま出すわけではありませんが、このルールでどうやったら8になるかを考えさせていきます。
試行錯誤が面白いのか、必死に書き出していきます。
もちろん、勘違いや、理解不足もありますから、全く違う作業をしたりもしてしまうのですが、その理由を話してあげると、「ああ、そうか、そういうことか」とそこで一つまた新しい発見をしていきます。
この繰り返しがとても面白かったようです。
それからは、「先生、次も先生の問題やりたい」とせがまれるようになりました。

お陰で毎週、「次は何をやろうか」と嬉しい苦労が大変です。
でも、「あの問題集はどうしようか?」と聞いたら、「お父さんとやってるよ」との答えでした。
ホッとしました。

日常生活と算数。

駒場東邦中学の今年の算数に、面白い問題が出ていたというのが話題になっているようです。
私もこのブログで触れました。

問題は次のような内容です。
「今まで算数を学んできた中で、実生活において算数の考え方が活かされて感動したり、面白いと感じた出来事について簡潔に説明しなさい。」

どんな答えがあったのでしょう。見てみたいですね。
私はこの問題を見た途端にピザを思い出してしまいました。

ピザの注文で、Lサイズは直径30cm、Mサイズは直径20cm。値段はLがMの2倍。
だったらMを二つ頼んだ方がお得だねと言った人がいました。
これは本当の話です。
私は算数の勉強を教えている身ですので、即座に、いや、ピザの大きさは面積で考えないとダメだと分かりました。
面積の比は(3×3):(2×2)=9:4です。
明らかにLはMの2倍を超える量のはずです。
だから、値段が2倍なら、やはりLを1つの方が得です。

こんな体験をした子どもがいたとしたら、次のような答えを書いたかもしれませんね。

ピザのカタログを見るとLとMのサイズがあり、それぞれ直径が書かれていました。30cmと20cmだったと思います。値段はLがMの2倍でした。それを見た母が、「だったらMを2枚頼んだ方が得ね」と言いました。僕は面積比で考えないとだめだから、「いや違うよ、面積の比は9:4だからLの量はMの2倍より多いよ、お母さん」と答えました。お店の人はお客さんがどう思うかと思ってチラシを作っているのかなと思ったら、とても面白いなと感じました。

ただし、これだと解答欄には収まりませんね。
では次のように書き直しましょうか。
「ピザのサイズにはLとMがあるが、大きさとしては直径で表記されている。本当は面積で比べないと量の比較にならないのにと感じた。お店の人は、お客さんが勘違いするようにわざとこのように書いているのだろうかと思ったら、面白いと感じた。」

あまり気の利いた答えではないかもしれませんが、質問にはきちんと答えていると思います。

他にも小包を送るときの3辺の合計での値段設定などからも答えが作れると思います。

2020年の大学入試改革に合わせての設問とも言われていますが、思考力や表現力以前に、日常生活をいかに能動的に生きているかということが影響していくのかもしれませんね。

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算数と時世

先週は、四谷準拠の6年生の学習は「変化とグラフ」でした。
見慣れた例題を順に見ていきましたが、生徒から突然、アッと驚くような質問をされました。
「電報って何ですか?」
いわゆる階段グラフを学習中のことでした。

例題では駐車場の料金が使われていました。
『初めの1時間はいくらいくらで、その後は30分毎にいくらずつ加算されていく』
という設定で、
『では何分使ったらいくらになるか』とか
『いくらだと何分とめることができますか』
と言ったことが問われる問題です。
この問題については何の引っかかりもなく済みましたが、この類題に電報が使われていました。

『初めの何字はいくらいくらで、その後は何字毎にいくらずつ加算されていく』
という設定で、
『では何字打ったらいくらになるか』とか
『いくらだと何字打つことができますか』
と言ったことが問われる問題です。

まず電報という言葉の説明から始めました。

確かに、算数の場合は、実際の生活からの設問が少なくありませんから、時世の変化につれ、問題の内容も変化していくのだなと、ある種の感慨にふけってしまいました。

かなり昔ですが、VHSの標準速と3倍速とをどこできりかえると120分テープに200分の番組をちょうどよく録画できますかといった内容の問題が出されたりもしていました。
今の子には何のことを言っているのか、全く分からないでしょうね。

最近のトレンドは、「大型店のポイント制度」や、「週末だけの割引セール」などでしょうか。
普段、ご家族での買い物に付き合っているお子さんはすぐにあれかとピンと来ると思いますが、そういったことと無縁の子にとっては、問題の設定を理解するのに苦労するかもしれません。

こじつけめいて聞こえるかもしれませんが、算数にも時事問題があるということかもしれませんね。

余談ですが、四谷大塚の教材「四科のまとめ算数」の7回2番は為替の問題で、毎年、この問題を説明するときに、現状との違いに、時世を感じていました。



ちょっとした一工夫で解きにくくなります。

中学の先生方も毎年いろいろと工夫されて、面白い問題を考えられます。
普段数学を教えてらして、算数での出題というのは案外大変だろうと思われます。

実は、私自身も私立中学出身で、先日、数十年ぶりにかつての数学の先生にお会いする機会がありました。
その先生に、失礼を承知で、家庭教師を為さる気はありませんかとお尋ねしたら
「いやいや、算数の指導は無理です。勘弁してください。」とご返事されてしまいました。

ある中学でお聞きしたら、算数問題集を研究して、それをヒントに問題を考えていくとのお答えをいただきました。
既に何度も出題された問題でも、ちょっとした一ひねりを加えるだけで急に見慣れない問題に変身します。
そういう問題に出会うと、その問題を出した中学自体が好きになってしまいます。

例えば次のような問題は数多の参考書や問題集に載っています。
「3を100回かけた数の1の位はいくつですか」

このまま出されてもほとんどの受験生は解けるので大した差はつかないでしょう。
でもこれにちょっと一手間加えると、途端に何だかとても解きづらい問題になってしまいます。
どんな一手間でしょう。
この問題を見てみてください。

さあ、この記事自体が大きなヒントですよ。

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夏休みに向けて。

今年はもう志望校がはっきり決まっている子もいるので過去問分析を既に始めた。
毎年のことではあるが、今年も初めての学校がある。
これだけ毎年色々な学校の過去問を解くと、自ずと学校の顔が見えてくる。
今年は少しシンプルに過去問を見直そうかと思っている。
簡単に言えば、次の3分類に振り分けてしまうということ。

(1)基本問題
(2)応用問題
ここまでは、例えば塾のテキストや応用自在などの参考書に必ず載っている問題。
(3)分析問題
その場で、自分で問題の意味を解くところから取りかからなければならない問題。

実は(2)までをしっかりこなせばほとんどの学校の算数は何とかなる。
それを早く感じて欲しいから、過去問演習は早めに始めた方が良いと勧めている。

過去問は雲の彼方の伏魔殿への入場券ではなく
楽しいテーマパークへの行き方を示す地図だと思って欲しいのだ。

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一手間加えるだけで・・・・・(パート2)

過去に別の学校で出題された問題をもとに新たな問題を作るというのはどこの学校でもやることだと思う。
各校の今年の入試問題を見ていても、どこかで見たことのあるような問題をちらほら見かける。

でも、そこに微妙な一手間が加わると、見違えるほどの出来になることがある。
麻布で一題それをみつけた。
今年の4番。
(問題はここから入手できます。)
長年、首都圏の中学受験算数の指導をされてきた先生ならすぐにピンと来たと思うが、桜蔭の2004年の4番(あら、同じ4番。偶然か?)にとてもよく似ている。
だが、桜蔭の問題に比べるとはるかに楽しい。(と、私は勝手に思った)
小学生の持つべき力で充分対応できる内容なのだし、与えられる条件も単純なのだが、決して易しいわけではない。
桜蔭では点の移動にだけ注意すれば良かったのが、この問題では曲線の円運動を考える必要がある。
こういう問題をじっくり解くことが、考える力を育てるのに最適な気がする。
それは麻布の今年の問題全てに言える。
まあ、そこまで話を拡げると論点が惚けるが、とにかく麻布の先生はよく練っていらっしゃると申し上げたい。

今年もどんどん過去問に挑戦しよう!




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一手間加えるだけで・・・・・

料理番組ではないが、一手間加えるだけで、見慣れた問題がグッと面白いものになる。
新しい入試問題を見ていると、多くの学校の先生方が、この一手間に必死に取り組んでいるのが分かる。

次の問題を見て欲しい。

問題『(3と15/16)3と16ぶんの15(帯分数)
にかけても
(7と1/9)7と9ぶんの1(帯分数)
を割っても
整数になるような分数は何個ありますか。
またその中で一番小さいものを求めなさい。』
(2011年ラサール中学入試問題より)

中学受験を目指し、塾に通ったり、参考書をしっかり読み込んだ子にとっては、「ああ、例のあれか~」と思わせておいて、よく読むとちょっと違う。「あれ、これどうやるんだっけ」となる問題だ。
基礎知識だけで解ける問題だが、それらが組み合わされている。
それぞれがきちんと身に付いていればすぐに解ける問題だけれど、基礎知識の意味までしっかり理解できていないと
「こんな問題習ってないからできないよ~」となってしまう。

この問題を解くのに必要な知識は次の2つ。
(1)分数×分数はどういうときに答えが整数になるか。
(2)場合の数の基礎知識。






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他校の問題チェックをしておくこと。

偶然似たような問題が複数校で出題されることがある。
今年も既に異なる2校で似たような出題があったので紹介しておく。

2011年1月8日試験・不二聖心4番
ある仕事をするのにAは3時間、Bは4時間、Cは6時間かかります。このとき、次の各問いに答えなさい。
(1)3人で一緒にこの仕事をすると、何時間何分かかりますか。
(2)3人で一緒にこの仕事を始めましたが、途中でAが帰ったので、この仕事をすべて終わるのに2時間かかりました。Aはこの仕事を始めてから何分後に帰りましたか。

2011年1月15日試験・灘(第1日)4番
ある仕事を完成させるのに、A君が1人ですると150分、B君が1人ですると60分、C君が1人ですると100分かかります。この仕事を最初は3人で始めましたが、途中でA君が抜けて、その10分後にB君も抜けて、さらにその30分後にC君が仕事を完成させました。最初から最後まで3人全員でした場合に比べて、完成までに必要な時間は(    )分長くなりました。

3人の、単位時間あたりの仕事量の比を求め、全体量との関係から、A君が何分で抜けたかを求めるという過程は全く同じだ。
問題番号がどちらも4番で同じというおまけまで付いている(笑)。

ネットで既に公開されている問題は、貴重なお宝だ。
女子も男子校まで、男子も女子校までしっかりチェックしておくべきだろう。





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デジタルなニュートン算

今年もついに中学入試本番開始。

いまや女子校でもニュートン算が出されるようになった。
毎年少しずつひねりの加わるニュートン算だが、ひねりの一つにデジタル化(私が勝手にそう呼んでるだけ)がある。
デジタル化とは、増える量が毎分何リットルのように一定ではなく、何分ごとに何リットルのような階段状の増え方になっているということ。
私の知るところですぐ思い出せるのは平成19年の世田谷学園2回目入試の5番。

今年の入試にもデジタル化したニュートン算があった。
(下記を参照してほしい。)
http://blog.goo.ne.jp/studiok_2006/e/6c0a86ac09298fa57f6d79f61f35d15f

http://blog.goo.ne.jp/studiok_2006/e/6c0a86ac09298fa57f6d79f61f35d15f

ニュートン算は慣れておけば比較的単純な考え方で解ける問題なので、受験生はこのような変化球にもしっかり耐性を付けておいて欲しい。

それにしても、各中学の先生方が今年はどんな工夫をされてくるのか、今年も楽しみだ。





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プロフィール

久保田塾・塾長

Author:久保田塾・塾長
東京都内、自宅にて個別指導、都内近県にて家庭教師をしています。
受験対策でも不登校児へのフォロー指導でも、私を頼る者全ての力になりたいと思っています。
でも、出来ない事は出来ないので、その時は、よりふさわしい先生をご紹介したり、次善の策がないかを模索したりします。
一番得意なのは中学受験の算数指導。「どんな問題でも解ける」という事より、「志望校に合格するにはどういう力を付ければ良いかを伝える」のが大事なのです。そのことを分かっていない保護者の方々、現役の塾講師、家庭教師の先生方があまりにも多い。
教育ネタが中心になると思いますが、趣味に走ったりもするかも。
前から興味のあったブログというのを始めて、ちょっとワクワクの「え~年のおっさん」です。
(2008年2月2日(先勝)・ブログ開始)

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