どのように問題を難しくしていくか。
中学校の入試問題はどのように作られていくのでしょうか。
先生によっては、一からお作りになる場合もあるでしょうが、参考書に載っている問題をベースに、それをひねって解きづらくしていくということもある様です。
今年の問題を見ていたら、ふとそんなことを感じました。
実際にその様子を見てみましょう。
【もとになる問題】
応用自在(算数)P.313 8番
下の表のように数がならんでいます。たとえば3行4列目の数は14です。
(1)50は何行何列目ですか。
(2)10行16列目の数は何ですか。
1列 2列 3列 4列 5列 6列
1行 1 4 9 16 25 36
2行 2 3 8 15 24 35
3行 5 6 7 14 23 34
4行 10 11 12 13 22 33
5行 17 18 19 20 21 32
6行 26 27 28 29 30 31
【解きづらくした問題その1】
2022年2月1日双葉中学入試(算数)3番
図のように、奇数を1から順にマス目に入れて、その場所を行と列を使って表します。
たとえば、4行2列目の数は29です。
(1)1行8列目の数を答えましょう。
(2)20行22列目の数を答えましょう。
(3)1411は何行何列目にありますか。
1列 2列 3列 4列
1行 1 3 17 19
2行 7 5 15 21
3行 9 11 13 23
4行 31 29 27 25
【解きづらくした問題その2】
2022年2月5日洗足学園中学第3回入試(算数)4番
表のように、あるきまりに従って整数が1から順に並んでいます。上からx番目、左からy番目の位置にある数を(x、y)と表すことにします。例えば、(2、3)=8です。
このとき、次の問いに答えなさい。
(1)次の㋐、㋑にあてはまる数を答えなさい。
(10、9)=㋐
(7、7)+(7、8)=㋑
(2)次の㋒、㋓に入る数は、どのような数ですか。①~⑥のうち、正しい組合せを1つ選び、番号で答えなさい。
(2022、10)+(2022、11)+(2022、12)=㋒
(2022、2021)+(2022、2022)+(2022、2023)=㋓
㋒ ㋓
① 3で割り切れる数 偶数
② 3で割り切れる数 奇数
③ 3で割って1余る数 偶数
④ 3で割って1余る数 奇数
⑤ 3で割って2余る数 偶数
⑥ 3で割って2余る数 奇数
(3)表の太字になっている3つの数3、8、15の和は26です。このように横に並んでいる3つの数の和が404となるとき、3つの数をすべて答えなさい。なお、この問題は解答までの考え方を表す式や文章・図などを書きなさい。
1 4 9 16 25
2 3 8 15 24
5 6 7 14 23
10 11 12 13 22
17 18 19 20 23
【問題その1】は、もとの問題の発想そのものは変えずに、並べ方をややひねったという感じですね。
【問題その2】は、数字の並べ方はそのままに、問われる視点を従来のものとは異次元のものにしたという感じですね。
作問された先生も、これは少し難しいかなと思われたのか、(1)(2)でやたら細々とした導入問題を用意しています。
これらの導入からうまく気づけた子は楽しく(3)を解いたかもしれませんが、大半の受験生はどう手を付けて良いか悩んだと思います。
でもベースになる、四角数の問題をきちんと学習してきた子なら、そこにどんな規則性があったかに思いを巡らし、ああ、そういうことかと気付いていけたかと思います。
基礎の積み上げの上に応用問題があるということを実感できる問題でした。
こうした例は、各塾のベテランの先生方ならもっと色々とご存知だと思いますが、これは特に分かりやすい例だと思いました。
先生によっては、一からお作りになる場合もあるでしょうが、参考書に載っている問題をベースに、それをひねって解きづらくしていくということもある様です。
今年の問題を見ていたら、ふとそんなことを感じました。
実際にその様子を見てみましょう。
【もとになる問題】
応用自在(算数)P.313 8番
下の表のように数がならんでいます。たとえば3行4列目の数は14です。
(1)50は何行何列目ですか。
(2)10行16列目の数は何ですか。
1列 2列 3列 4列 5列 6列
1行 1 4 9 16 25 36
2行 2 3 8 15 24 35
3行 5 6 7 14 23 34
4行 10 11 12 13 22 33
5行 17 18 19 20 21 32
6行 26 27 28 29 30 31
【解きづらくした問題その1】
2022年2月1日双葉中学入試(算数)3番
図のように、奇数を1から順にマス目に入れて、その場所を行と列を使って表します。
たとえば、4行2列目の数は29です。
(1)1行8列目の数を答えましょう。
(2)20行22列目の数を答えましょう。
(3)1411は何行何列目にありますか。
1列 2列 3列 4列
1行 1 3 17 19
2行 7 5 15 21
3行 9 11 13 23
4行 31 29 27 25
【解きづらくした問題その2】
2022年2月5日洗足学園中学第3回入試(算数)4番
表のように、あるきまりに従って整数が1から順に並んでいます。上からx番目、左からy番目の位置にある数を(x、y)と表すことにします。例えば、(2、3)=8です。
このとき、次の問いに答えなさい。
(1)次の㋐、㋑にあてはまる数を答えなさい。
(10、9)=㋐
(7、7)+(7、8)=㋑
(2)次の㋒、㋓に入る数は、どのような数ですか。①~⑥のうち、正しい組合せを1つ選び、番号で答えなさい。
(2022、10)+(2022、11)+(2022、12)=㋒
(2022、2021)+(2022、2022)+(2022、2023)=㋓
㋒ ㋓
① 3で割り切れる数 偶数
② 3で割り切れる数 奇数
③ 3で割って1余る数 偶数
④ 3で割って1余る数 奇数
⑤ 3で割って2余る数 偶数
⑥ 3で割って2余る数 奇数
(3)表の太字になっている3つの数3、8、15の和は26です。このように横に並んでいる3つの数の和が404となるとき、3つの数をすべて答えなさい。なお、この問題は解答までの考え方を表す式や文章・図などを書きなさい。
1 4 9 16 25
2 3 8 15 24
5 6 7 14 23
10 11 12 13 22
17 18 19 20 23
【問題その1】は、もとの問題の発想そのものは変えずに、並べ方をややひねったという感じですね。
【問題その2】は、数字の並べ方はそのままに、問われる視点を従来のものとは異次元のものにしたという感じですね。
作問された先生も、これは少し難しいかなと思われたのか、(1)(2)でやたら細々とした導入問題を用意しています。
これらの導入からうまく気づけた子は楽しく(3)を解いたかもしれませんが、大半の受験生はどう手を付けて良いか悩んだと思います。
でもベースになる、四角数の問題をきちんと学習してきた子なら、そこにどんな規則性があったかに思いを巡らし、ああ、そういうことかと気付いていけたかと思います。
基礎の積み上げの上に応用問題があるということを実感できる問題でした。
こうした例は、各塾のベテランの先生方ならもっと色々とご存知だと思いますが、これは特に分かりやすい例だと思いました。
6月マンスリー2番(7)
正答率19%
良い問題でしたね。
解説のやり方も良いと思います。
でも理解できない子どもも多かったと思います。
生徒の1人が、求める長さは18mと8mの公倍数であるということから解いていました。
何を言っているのかよく分からなかったから絵を描いてみたら気がついたと言っていました。
最小公倍数を求め、その長さから、実際の植木鉢の個数を求めて表にしていました。
書いているうちに25個と55個が出て来たのでやったと思ったと言っていました。
実に良いやり方だと思ったので、思い切りほめました。
ほめた後で、でもこんなやり方もあるんだよと言って、解説にある考え方を説明しました。
式のままでは分かりにくいので線分図を使ったら、倍数算なんだと言っていました。
確かに線分図の使い方は倍数算のやり方ですね。
これ一問で、植木算、差集め算、書き出し、規則性、倍数算など、様々な算数の考え方の確認ができました。
良い問題でしたね。
解説のやり方も良いと思います。
でも理解できない子どもも多かったと思います。
生徒の1人が、求める長さは18mと8mの公倍数であるということから解いていました。
何を言っているのかよく分からなかったから絵を描いてみたら気がついたと言っていました。
最小公倍数を求め、その長さから、実際の植木鉢の個数を求めて表にしていました。
書いているうちに25個と55個が出て来たのでやったと思ったと言っていました。
実に良いやり方だと思ったので、思い切りほめました。
ほめた後で、でもこんなやり方もあるんだよと言って、解説にある考え方を説明しました。
式のままでは分かりにくいので線分図を使ったら、倍数算なんだと言っていました。
確かに線分図の使い方は倍数算のやり方ですね。
これ一問で、植木算、差集め算、書き出し、規則性、倍数算など、様々な算数の考え方の確認ができました。
学校のセンス
速さの問題は出題する学校が多いですね。
数学のグラフにつながる要素が含まれるからでしょうか。
各校とも工夫を凝らしてきますが、それだけに、各校のセンスが現れる様な気がします。
最近質問されて面白いと思った問題があります。
1周260mのコースがあります。
A君、B君はスタート地点から出発して、それぞれ一定の速さで同じ向きにコースをまわります。
A君はちょうど1周するのに36秒かかります。
(1)
B君はA君がスタートしてから27秒後に出発しました。
B君がちょうど1周したのと同時にA君はちょうど5周しました。
B君がA君に3回目に追い越されたとき、B君はスタート地点から何mまわっていましたか。
(2)
C君はB君と同時に出発し、B君と同じ速さでまわっていましたが、A君に最初に追い越されたのと同時にペースを上げ、ペースを上げた後は一定の速さでまわりました。
その結果、A君がちょうど4周したのと同時にC君はちょうど1周しました。
C君がA君に最後に追い越されたとき、C君はスタート地点から何mまわっていましたか。
一見めんどくさそうですが、整理の仕方によってはとても楽に解けます。
そうした感覚を見る問題なのかなと思いました。
こういう問題を作れる先生は素晴らしいなと思います。
うっとりしてしまいました。
数学のグラフにつながる要素が含まれるからでしょうか。
各校とも工夫を凝らしてきますが、それだけに、各校のセンスが現れる様な気がします。
最近質問されて面白いと思った問題があります。
1周260mのコースがあります。
A君、B君はスタート地点から出発して、それぞれ一定の速さで同じ向きにコースをまわります。
A君はちょうど1周するのに36秒かかります。
(1)
B君はA君がスタートしてから27秒後に出発しました。
B君がちょうど1周したのと同時にA君はちょうど5周しました。
B君がA君に3回目に追い越されたとき、B君はスタート地点から何mまわっていましたか。
(2)
C君はB君と同時に出発し、B君と同じ速さでまわっていましたが、A君に最初に追い越されたのと同時にペースを上げ、ペースを上げた後は一定の速さでまわりました。
その結果、A君がちょうど4周したのと同時にC君はちょうど1周しました。
C君がA君に最後に追い越されたとき、C君はスタート地点から何mまわっていましたか。
一見めんどくさそうですが、整理の仕方によってはとても楽に解けます。
そうした感覚を見る問題なのかなと思いました。
こういう問題を作れる先生は素晴らしいなと思います。
うっとりしてしまいました。
問題のひねり方。
算数の問題にもいくつかのパターンがあります。
大雑把にくくると次のようになるでしょうか。
(1)基本問題
各単元の基礎がきちんとしていれば確実に解ける問題
言い方を変えると、問題集に載っているような典型的な問題
(2)発展問題
基礎が分かった上で、そこからより解きづらい設定にして、各単元の本質が
きちんとつかめているかを問う問題
これも、問題集に発展問題とか練習問題とか応用問題と言った名前で載っています。
(3)問題集には載っていないような問題
上位校、難関校に多く出題されるのは、その場で設定から考えていくような難問です。
(1)や(2)の問題は、問題集や塾のテキストを徹底的に学習した子であれば、記憶をたどってでも何とか解けると思いますが、(3)は柔軟な発想力や、地道な作業にも耐えられるような持久力が必要とされます。
(3)は、中堅校の場合だと、出たとしても後半の一問ないし二問程度ですから、算数がめちゃくちゃ得意で、最難関校にも挑戦するという子たちだけが練習すれば良いと思います。
勿論、志望校の過去問演習に出てきた場合は、一度はきちんと挑戦して欲しいですが。
多くの受験生にとって、一番大事なのは(2)の問題だと思います。
基本問題をひねって発展問題にしてあるのですが、ではどうひねってあるのでしょう。
最も多いのは、条件をより複雑にしていくということです。
例えば次のような例が挙げられます。
(基本問題)
8%の食塩水200gと18%の食塩水300gを混ぜると何%の食塩水ができますか。
(発展問題)
AとBの2種類の食塩水があります。Aの食塩水とBの食塩水を2:1の割合で混ぜると9%の食塩水ができ、4:7の割合で混ぜると14%の食塩水ができます。では、5:6の割合で混ぜると何%の食塩水ができますか。
このように、単に条件を難しくするというのが一般的なひねり方ですが、偶にあるのが、2種類以上の基本問題をそのまま融合させてひねるというやり方です。
これも一例を挙げましょう。
Aの容器に12%の食塩水が300g、Bの容器に5%の食塩水が240g入っています。Aの容器の食塩水と、Bの容器の食塩水の重さの比が2:7になるように、Aの容器からBの容器に何gか移すと、Bの容器の食塩水は何%になりますか。
この問題はどの様な2種類の基本問題が融合されているのでしょうか。
分けてみます。
(その1)Aの容器には300g、Bの容器には240gの食塩水が入っています。これを2:7の重さの比にするには、AからBに何g移せば良いですか。
300+240=540 540÷9×7=420g 420-240=180g 答え180g
(その2)Bの容器に5%の食塩水が240g入っています。これにAの容器から12%の食塩水180gを加えると何%の食塩水になりますか。
240×0.05=12g 180×0.12=21.6g
混ぜた後の塩の合計 12+21.6=33.6g
混ぜた後の全体の合計 420g
濃度 33.6÷420×100=8%
今解いた問題は、今週、生徒の一人が過去問の中で分からなかったと言って持ってきた問題でした。
一つ一つは簡単な問題であっても、それが合わさると一見すると複雑に見えてしまいます。
こうしたひねりにも是非慣れておいてください。
そうしたら、今年の入試問題にも、このひねりを入れた問題がありました。
浦和明の星女子中学校の今年(2019年)の問題です。
1(4)
ある果樹園では、桃と梨を栽培しています。昨年の収穫は、桃と梨の個数の比が5:8でした。今年の収穫は、昨年より桃の個数が160個増えて梨の個数が30個減り、桃と梨の個数の合計では1割増えました。昨年は何個の桃を収穫しましたか。
これは次のような2つの基本問題を融合させた問題ですね。
(その1)昨年に比べ今年の収穫は130個増えたので、1割増えたことになります。昨年の収穫は何個でしたか。
130÷0.1=1300個
(その2)桃と梨を合計すると1300個の収穫でしたが、桃と梨の個数の比は5:8でした。では桃の収穫は何個でしたか。
私がまだ生徒だった頃、英作文の先生の口癖は「和文和訳が大事ですよ。」でした。
問題文を分かりやすい文章に置き換えて考えるんですよ、ということだと思います。
算数も全く同じだったんですね。
大雑把にくくると次のようになるでしょうか。
(1)基本問題
各単元の基礎がきちんとしていれば確実に解ける問題
言い方を変えると、問題集に載っているような典型的な問題
(2)発展問題
基礎が分かった上で、そこからより解きづらい設定にして、各単元の本質が
きちんとつかめているかを問う問題
これも、問題集に発展問題とか練習問題とか応用問題と言った名前で載っています。
(3)問題集には載っていないような問題
上位校、難関校に多く出題されるのは、その場で設定から考えていくような難問です。
(1)や(2)の問題は、問題集や塾のテキストを徹底的に学習した子であれば、記憶をたどってでも何とか解けると思いますが、(3)は柔軟な発想力や、地道な作業にも耐えられるような持久力が必要とされます。
(3)は、中堅校の場合だと、出たとしても後半の一問ないし二問程度ですから、算数がめちゃくちゃ得意で、最難関校にも挑戦するという子たちだけが練習すれば良いと思います。
勿論、志望校の過去問演習に出てきた場合は、一度はきちんと挑戦して欲しいですが。
多くの受験生にとって、一番大事なのは(2)の問題だと思います。
基本問題をひねって発展問題にしてあるのですが、ではどうひねってあるのでしょう。
最も多いのは、条件をより複雑にしていくということです。
例えば次のような例が挙げられます。
(基本問題)
8%の食塩水200gと18%の食塩水300gを混ぜると何%の食塩水ができますか。
(発展問題)
AとBの2種類の食塩水があります。Aの食塩水とBの食塩水を2:1の割合で混ぜると9%の食塩水ができ、4:7の割合で混ぜると14%の食塩水ができます。では、5:6の割合で混ぜると何%の食塩水ができますか。
このように、単に条件を難しくするというのが一般的なひねり方ですが、偶にあるのが、2種類以上の基本問題をそのまま融合させてひねるというやり方です。
これも一例を挙げましょう。
Aの容器に12%の食塩水が300g、Bの容器に5%の食塩水が240g入っています。Aの容器の食塩水と、Bの容器の食塩水の重さの比が2:7になるように、Aの容器からBの容器に何gか移すと、Bの容器の食塩水は何%になりますか。
この問題はどの様な2種類の基本問題が融合されているのでしょうか。
分けてみます。
(その1)Aの容器には300g、Bの容器には240gの食塩水が入っています。これを2:7の重さの比にするには、AからBに何g移せば良いですか。
300+240=540 540÷9×7=420g 420-240=180g 答え180g
(その2)Bの容器に5%の食塩水が240g入っています。これにAの容器から12%の食塩水180gを加えると何%の食塩水になりますか。
240×0.05=12g 180×0.12=21.6g
混ぜた後の塩の合計 12+21.6=33.6g
混ぜた後の全体の合計 420g
濃度 33.6÷420×100=8%
今解いた問題は、今週、生徒の一人が過去問の中で分からなかったと言って持ってきた問題でした。
一つ一つは簡単な問題であっても、それが合わさると一見すると複雑に見えてしまいます。
こうしたひねりにも是非慣れておいてください。
そうしたら、今年の入試問題にも、このひねりを入れた問題がありました。
浦和明の星女子中学校の今年(2019年)の問題です。
1(4)
ある果樹園では、桃と梨を栽培しています。昨年の収穫は、桃と梨の個数の比が5:8でした。今年の収穫は、昨年より桃の個数が160個増えて梨の個数が30個減り、桃と梨の個数の合計では1割増えました。昨年は何個の桃を収穫しましたか。
これは次のような2つの基本問題を融合させた問題ですね。
(その1)昨年に比べ今年の収穫は130個増えたので、1割増えたことになります。昨年の収穫は何個でしたか。
130÷0.1=1300個
(その2)桃と梨を合計すると1300個の収穫でしたが、桃と梨の個数の比は5:8でした。では桃の収穫は何個でしたか。
私がまだ生徒だった頃、英作文の先生の口癖は「和文和訳が大事ですよ。」でした。
問題文を分かりやすい文章に置き換えて考えるんですよ、ということだと思います。
算数も全く同じだったんですね。
7月1日(日)首都圏模試の出題範囲
首都圏での中学入試の模試というと、四谷大塚の合不合テストが有名ですが、中堅校を狙うお子さんにとって良いデータを提供してくれるものに、首都圏模試というのがあります。
小6対象の次の模試は7月1日(日)ですが、その出題範囲は次の内容と公表されています。
整数・小数・分数のしくみ・四則計算
数の性質
規則性
場合の数
面積を求める問題
角度を求める問題
面積と辺の比
平面図形の移動・回転
比と比の性質
ニュートン算
水量変化とグラフ
流水算
倍数算
速さについては流水算と分かっていますし、立体図形がないとも分かっていますから、準備もしやすいと思います。
受験して、夏休み前に弱点を確認しておくのは有効だと思います。
小6対象の次の模試は7月1日(日)ですが、その出題範囲は次の内容と公表されています。
整数・小数・分数のしくみ・四則計算
数の性質
規則性
場合の数
面積を求める問題
角度を求める問題
面積と辺の比
平面図形の移動・回転
比と比の性質
ニュートン算
水量変化とグラフ
流水算
倍数算
速さについては流水算と分かっていますし、立体図形がないとも分かっていますから、準備もしやすいと思います。
受験して、夏休み前に弱点を確認しておくのは有効だと思います。
つるかめ算と御三家
もうかなり前の話ですが、麻布中学と開成中学で同じ年に時計算が出たことがありました。
以前このブログでも取り上げたことがあります。
麻布と開成で時計算
時計算は条件を様々に変えやすいのであり得る話ではありますが。
さて今年も2月1日から今日まで、ずっと最新の入試問題を解き続けています。
今年も面白い現象がありました。
桜蔭、女子学院、麻布でつるかめ算が出題されたのです。
文章題としては最も基本的なものだけに意外な感じがしました。
もちろん御三家の出題ですから、一見してつるかめ算と分かるものではありませんが、条件を整理していくと、何だこれつるかめ算じゃないかと気づく様な問題でした。
そのことに気づけた子は簡単に正解できたかもしれません。
ただし計算もかなり面倒くさいものでしたし、桜蔭の場合は、もう一ひねりもありましたから、そこもきちんとクリアできたかがポイントですが。
具体的な問題番号を記しておきましょう。
桜蔭 Ⅱ(1)②
女子学院 2.(1)
麻布 2.
つるかめ算は去年の浦和明の星の4.に出ていて、難関校でもこんな基本的な問題も出すのかと思ったものですが、まさか、それにヒントを得た訳でもないでしょうが、今年の難関校の作問担当の先生方も同じようなことを考えられたようです。
中学受験をする子たちにとって、つるかめ算の学習は必須ですから、出題されても特にびっくりすることはないのですが。
言いたいことはただ一つ。
基本を大事にしていきましょう、ということです。
ただし、更に言えば、様々な問題に取り組んできた子にとっては、それがつるかめ算だと意識しなくても、自然に解法が浮かぶだろうということです。
御三家を受験するレベルではこれが自然かもしれません。
ちょっと脱線しますが、昨年の女子学院の算数は、解いていて泣きたくなるほど簡単な問題ばかりでした。
今年はその反省という訳でもないと思いますが、また骨のある問題が増えていました。
その中で、この一問は絶対に間違えてはいけない問題と言えるでしょう。
麻布のも、計算が少し面倒ですが、内容は基本に近いものでした。
唯一、桜蔭は同じつるかめ算でも、さすがにひねりが効いていました。
麻布にあってもおかしく無いような問題でした。
来年の受験に向け、基本をしっかりと固めさせるということを改めて肝に銘じました。
以前このブログでも取り上げたことがあります。
麻布と開成で時計算
時計算は条件を様々に変えやすいのであり得る話ではありますが。
さて今年も2月1日から今日まで、ずっと最新の入試問題を解き続けています。
今年も面白い現象がありました。
桜蔭、女子学院、麻布でつるかめ算が出題されたのです。
文章題としては最も基本的なものだけに意外な感じがしました。
もちろん御三家の出題ですから、一見してつるかめ算と分かるものではありませんが、条件を整理していくと、何だこれつるかめ算じゃないかと気づく様な問題でした。
そのことに気づけた子は簡単に正解できたかもしれません。
ただし計算もかなり面倒くさいものでしたし、桜蔭の場合は、もう一ひねりもありましたから、そこもきちんとクリアできたかがポイントですが。
具体的な問題番号を記しておきましょう。
桜蔭 Ⅱ(1)②
女子学院 2.(1)
麻布 2.
つるかめ算は去年の浦和明の星の4.に出ていて、難関校でもこんな基本的な問題も出すのかと思ったものですが、まさか、それにヒントを得た訳でもないでしょうが、今年の難関校の作問担当の先生方も同じようなことを考えられたようです。
中学受験をする子たちにとって、つるかめ算の学習は必須ですから、出題されても特にびっくりすることはないのですが。
言いたいことはただ一つ。
基本を大事にしていきましょう、ということです。
ただし、更に言えば、様々な問題に取り組んできた子にとっては、それがつるかめ算だと意識しなくても、自然に解法が浮かぶだろうということです。
御三家を受験するレベルではこれが自然かもしれません。
ちょっと脱線しますが、昨年の女子学院の算数は、解いていて泣きたくなるほど簡単な問題ばかりでした。
今年はその反省という訳でもないと思いますが、また骨のある問題が増えていました。
その中で、この一問は絶対に間違えてはいけない問題と言えるでしょう。
麻布のも、計算が少し面倒ですが、内容は基本に近いものでした。
唯一、桜蔭は同じつるかめ算でも、さすがにひねりが効いていました。
麻布にあってもおかしく無いような問題でした。
来年の受験に向け、基本をしっかりと固めさせるということを改めて肝に銘じました。
書き出ししていく問題。
小学3年生の指導をしています。
ご家庭で問題集を購入済みで、それらを一緒にやっていって欲しいとのご希望から始めました。
ところが、6年生の指導をしていて、入試問題に偶にある、書き出しで答えを見つけていく問題を見たとき、これは3年生にも解けるかもしれないなという考えがふと脳裏をよぎりました。
試しに、6年生に指導したばかりの問題を、3年生に解かせてみました。
そうしたら、予想通り、ものすごく面白がって解くではないですか。
例えば次のような問題。
「2けたの数で、10の位と1の位の数をかける計算をします。
例えば、37なら、3×7=21になります。
できた数が1けたになったら計算をやめます。
この計算を3回繰り返して8になる数のうち、最も大きい数と最も小さい数はそれぞれいくるですか。」
6年生では苦手とする子が多いです。
一つでも書き漏らしたら正解にならないというあいまいさが嫌われる理由だと思います。
3年生に、このまま出すわけではありませんが、このルールでどうやったら8になるかを考えさせていきます。
試行錯誤が面白いのか、必死に書き出していきます。
もちろん、勘違いや、理解不足もありますから、全く違う作業をしたりもしてしまうのですが、その理由を話してあげると、「ああ、そうか、そういうことか」とそこで一つまた新しい発見をしていきます。
この繰り返しがとても面白かったようです。
それからは、「先生、次も先生の問題やりたい」とせがまれるようになりました。
お陰で毎週、「次は何をやろうか」と嬉しい苦労が大変です。
でも、「あの問題集はどうしようか?」と聞いたら、「お父さんとやってるよ」との答えでした。
ホッとしました。
ご家庭で問題集を購入済みで、それらを一緒にやっていって欲しいとのご希望から始めました。
ところが、6年生の指導をしていて、入試問題に偶にある、書き出しで答えを見つけていく問題を見たとき、これは3年生にも解けるかもしれないなという考えがふと脳裏をよぎりました。
試しに、6年生に指導したばかりの問題を、3年生に解かせてみました。
そうしたら、予想通り、ものすごく面白がって解くではないですか。
例えば次のような問題。
「2けたの数で、10の位と1の位の数をかける計算をします。
例えば、37なら、3×7=21になります。
できた数が1けたになったら計算をやめます。
この計算を3回繰り返して8になる数のうち、最も大きい数と最も小さい数はそれぞれいくるですか。」
6年生では苦手とする子が多いです。
一つでも書き漏らしたら正解にならないというあいまいさが嫌われる理由だと思います。
3年生に、このまま出すわけではありませんが、このルールでどうやったら8になるかを考えさせていきます。
試行錯誤が面白いのか、必死に書き出していきます。
もちろん、勘違いや、理解不足もありますから、全く違う作業をしたりもしてしまうのですが、その理由を話してあげると、「ああ、そうか、そういうことか」とそこで一つまた新しい発見をしていきます。
この繰り返しがとても面白かったようです。
それからは、「先生、次も先生の問題やりたい」とせがまれるようになりました。
お陰で毎週、「次は何をやろうか」と嬉しい苦労が大変です。
でも、「あの問題集はどうしようか?」と聞いたら、「お父さんとやってるよ」との答えでした。
ホッとしました。
日常生活と算数。
駒場東邦中学の今年の算数に、面白い問題が出ていたというのが話題になっているようです。
私もこのブログで触れました。
問題は次のような内容です。
「今まで算数を学んできた中で、実生活において算数の考え方が活かされて感動したり、面白いと感じた出来事について簡潔に説明しなさい。」
どんな答えがあったのでしょう。見てみたいですね。
私はこの問題を見た途端にピザを思い出してしまいました。
ピザの注文で、Lサイズは直径30cm、Mサイズは直径20cm。値段はLがMの2倍。
だったらMを二つ頼んだ方がお得だねと言った人がいました。
これは本当の話です。
私は算数の勉強を教えている身ですので、即座に、いや、ピザの大きさは面積で考えないとダメだと分かりました。
面積の比は(3×3):(2×2)=9:4です。
明らかにLはMの2倍を超える量のはずです。
だから、値段が2倍なら、やはりLを1つの方が得です。
こんな体験をした子どもがいたとしたら、次のような答えを書いたかもしれませんね。
ピザのカタログを見るとLとMのサイズがあり、それぞれ直径が書かれていました。30cmと20cmだったと思います。値段はLがMの2倍でした。それを見た母が、「だったらMを2枚頼んだ方が得ね」と言いました。僕は面積比で考えないとだめだから、「いや違うよ、面積の比は9:4だからLの量はMの2倍より多いよ、お母さん」と答えました。お店の人はお客さんがどう思うかと思ってチラシを作っているのかなと思ったら、とても面白いなと感じました。
ただし、これだと解答欄には収まりませんね。
では次のように書き直しましょうか。
「ピザのサイズにはLとMがあるが、大きさとしては直径で表記されている。本当は面積で比べないと量の比較にならないのにと感じた。お店の人は、お客さんが勘違いするようにわざとこのように書いているのだろうかと思ったら、面白いと感じた。」
あまり気の利いた答えではないかもしれませんが、質問にはきちんと答えていると思います。
他にも小包を送るときの3辺の合計での値段設定などからも答えが作れると思います。
2020年の大学入試改革に合わせての設問とも言われていますが、思考力や表現力以前に、日常生活をいかに能動的に生きているかということが影響していくのかもしれませんね。
私もこのブログで触れました。
問題は次のような内容です。
「今まで算数を学んできた中で、実生活において算数の考え方が活かされて感動したり、面白いと感じた出来事について簡潔に説明しなさい。」
どんな答えがあったのでしょう。見てみたいですね。
私はこの問題を見た途端にピザを思い出してしまいました。
ピザの注文で、Lサイズは直径30cm、Mサイズは直径20cm。値段はLがMの2倍。
だったらMを二つ頼んだ方がお得だねと言った人がいました。
これは本当の話です。
私は算数の勉強を教えている身ですので、即座に、いや、ピザの大きさは面積で考えないとダメだと分かりました。
面積の比は(3×3):(2×2)=9:4です。
明らかにLはMの2倍を超える量のはずです。
だから、値段が2倍なら、やはりLを1つの方が得です。
こんな体験をした子どもがいたとしたら、次のような答えを書いたかもしれませんね。
ピザのカタログを見るとLとMのサイズがあり、それぞれ直径が書かれていました。30cmと20cmだったと思います。値段はLがMの2倍でした。それを見た母が、「だったらMを2枚頼んだ方が得ね」と言いました。僕は面積比で考えないとだめだから、「いや違うよ、面積の比は9:4だからLの量はMの2倍より多いよ、お母さん」と答えました。お店の人はお客さんがどう思うかと思ってチラシを作っているのかなと思ったら、とても面白いなと感じました。
ただし、これだと解答欄には収まりませんね。
では次のように書き直しましょうか。
「ピザのサイズにはLとMがあるが、大きさとしては直径で表記されている。本当は面積で比べないと量の比較にならないのにと感じた。お店の人は、お客さんが勘違いするようにわざとこのように書いているのだろうかと思ったら、面白いと感じた。」
あまり気の利いた答えではないかもしれませんが、質問にはきちんと答えていると思います。
他にも小包を送るときの3辺の合計での値段設定などからも答えが作れると思います。
2020年の大学入試改革に合わせての設問とも言われていますが、思考力や表現力以前に、日常生活をいかに能動的に生きているかということが影響していくのかもしれませんね。