有名個別指導塾・有名家庭教師派遣会社についてのエピソード

知り合いからの紹介や、前の生徒の兄弟姉妹など、特別の縁のあった方々からの問い合わせには極力応じるようにしている。
そのため、この9月以降も2人の生徒が増えた。
一人は大学受験の高校生で、帰宅の早い日があるから、午後の早い時間での授業が可能ということで引き受けた。
もう一人は、他の生徒が休みになったときなど不定期で良いからという条件で引き受けた。
どちらの方からも初めての電話で信じられない話を聞いたからだ。

まず大学受験の生徒。
有名個別指導塾の1教室に通っていた。
受験校が変わり、指導希望の教科にも変更が出た。
ところが、もう必要のなくなった教科のテキストを無理やり買わされたというのだ。
すでに注文してあった分が届いたから仕方ないという説明だったそうで、
あろうことか、先生は生徒に「ブックオフに売れば」と言ったそうだ。
結局、親御さんからの強い抗議に、塾側も折れ、返却に応じたそうだ。
だが、こんな話はまだ序の口で、指導内容自体が酷かった。
受験校ははっきり絞られていて、そこの過去問を見ると、ごく限られた範囲からしか出題されていないのに、過去問には無関係に、基本的なテキストを第1章から順に授業していったそうだ。
担当の先生は、その問題集以外からの質問には一切応じてくれなかったという。
いったいそんな講師で、どうやって過去問演習までたどり着く予定だったのだろう。

もう一人は中学受験の生徒。
私立小学校に通っていてそのまま中学に進めるので全く受験の準備はしていなかったそうだ。
ところが突然学校でいじめが発生し、絶対に持ち上がりで同じ生徒たちと同じ中学に行くのは嫌だということになり、急きょ、家庭教師を探したそうだ。
有名家庭教師派遣会社に電話をし、この4月から4科目の指導を二人の先生に頼んだそうだ。
プロ家庭教師ということで、1時間一万円の授業料。
その先生たちが入れ替わり来てはやたらと教材を買わせたそうだ。
使われない教材がたっぷり溜まっていた。
春から指導してもらったのに成績は全く上がらず
夏休みには授業を増やせの一点張りで、結局夏だけで家庭教師代に百万円近く払ったそうである。
だが9月になっても一向に模試の成績は上がらない。
では先生を変えましょうとなって、新たに来た先生が言うには
「この子に中学受験は無理だ」の一言。
ではそれまで来ていた同じ会社の先生は何だったのでしょう?

偶々私の友人の知り合いということで、ふと私の話が出たらしく、何でも良いからアドバイスが欲しいということで連絡をいただいた。
電話で状況をお聞きし、何とかしてあげたいとは思ったものの、時間に全く空きがない。
偶々2週間後の週末は他の生徒の都合で夕方の空きが出来ていたので、そこまで待っていただき、そのお宅に伺った。
電話で概要は聞いていたので早速体験授業に入った。
確かに何もできない。これが春から家庭教師にずっと習っていた子か?

しかし、指導が進んでまたびっくり。
理解力は優れているのである。
結局、前の先生は、自分が一通りざっと解き方を説明していって、これを見ながら宿題を解いておいてね、という授業をしていたらしい。
これでは、集団塾で一斉授業を受けているのと何ら変わらない。
何のための個別指導、家庭教師か。

その子を見て、感じたのは、考えることに慣れていないなということだった。
解き方を見て写すのが勉強だと思っていたらしい。
これでは何時間先生が来ても効果は上がらない。

私が考える個別指導とは次のようなものだ。
その生徒が問題を解く様子を見て、問題をどう捉えたのか
解けない時はどこまで解けて、どこで詰まったのかを知り
ほんの少し助け船を出しては、また知恵を絞らせるということ。
解けた時にもプロセルをチェックし説明させ、道筋をしっかり定着させること。
成績の如何、志望校の如何を問わず、私はすべての子供にこのスタンスで臨んでいる。

その子のいじめの実態、今の家庭教師の体たらくを知り
これは何とかしないとという気になった。
小3で家庭教師を頼まれている子がいたので、事情を話し、来春まで指導を一時休ませてもらうことにした。その子は幸い集団塾にも通ってみようかということに話が進み、冬期講習からある集団塾に通ってみることにしてくれた。

その子の指導に充てるつもりだった時間をこの新しい生徒に割り振ることにした。
体験授業の次の授業のときに、すっかり学習姿勢が変わったという話をご両親からお聞きし、大変嬉しくなった。
考えることの面白さに気づいてくれたのかもしれない。
何回か授業があり、宿題も、その生徒からもっと出してくれというようになった。
こういう反応が一番嬉しい。
楽な受験ではない。
だが、まだ初めての授業から1か月もしていないのに、その子は確実に変化した。
私との出会いがその子の一生をわずかかもしれないが、良い方向に軌道修正させた。
この嬉しさが何物にも代えがたい。

誰にでも、このスタンスが合うわけではない。
中には私に不満を覚える子(あるいは親?)もいるようで
体験授業から全く音沙汰のない家庭もある。
せめてどこが合わないと思ったかくらいは伝えてほしいものである。

だが、合う子に会えた喜びはすべてを忘れさせてくれる。
今年の6年生はこの新しい生徒も含め、皆、私との相性は良い。
中には春には泣いてばかりいた男子もいる。
その彼も当初からの志望校目指し、過去問演習に邁進している。
春のレベルを思うと、今の彼の質問内容の的確さにびっくりすることがある。
よくこれが解けたな~と感心することもどの子にも起こるようになった。
模試の成績は二の次、志望校の出題傾向をベースにした指導が功を奏してきたのだと思う。
いやそれ以前に、自分の頭で考えるということにどの子もやっと慣れてきたのだと思う。

今度はどんなノートを持ってきてくれるか、毎日それが楽しみだ。
1か月の新しい生徒も、すでにその領域に差し掛かってきた。

テーマ : 中学受験
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

久保田塾・塾長

Author:久保田塾・塾長
東京都内、自宅にて個別指導、都内近県にて家庭教師をしています。
受験対策でも不登校児へのフォロー指導でも、私を頼る者全ての力になりたいと思っています。
でも、出来ない事は出来ないので、その時は、よりふさわしい先生をご紹介したり、次善の策がないかを模索したりします。
一番得意なのは中学受験の算数指導。「どんな問題でも解ける」という事より、「志望校に合格するにはどういう力を付ければ良いかを伝える」のが大事なのです。そのことを分かっていない保護者の方々、現役の塾講師、家庭教師の先生方があまりにも多い。
教育ネタが中心になると思いますが、趣味に走ったりもするかも。
前から興味のあったブログというのを始めて、ちょっとワクワクの「え~年のおっさん」です。
(2008年2月2日(先勝)・ブログ開始)

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