体験授業の感想(内部進学予定の私立小学校生)

年度の変わり目に加え、春休みでもあり、体験授業のお申込をいただいた。
実施後にお母様からいただいたメールから、感想の一部を引用させていただく。
「私立小学校に通うお子さんが算数だけどうしても思うような得点を挙げられない」というご相談をいただき、家庭教師の体験授業に伺った。

【以下引用】
『先日は授業を体験させていただき、ありがとうございました。
先生が帰られた後、すいすいと理解できたことが余程うれしかったのか、
私に「ママ、これわかる?」と言って問題をだしてきたり、ノートを何度も読み返したり
とても興奮しておりました。
本人は先生との勉強を熱望しており、翌日からスキー合宿に向かう途中で
主人にやらせてほしいとお願いしたそうです。』
【以上引用】

ご両親とも「あまりガツガツと勉強をさせるのは反対だが、こどもが成績が上がらず困っているようなので何とかしてあげたい」ということで色々探され、私の塾もネット検索でみつけてくださったそうだ。
まだ新小5で内部進学の準備ということなので、新学期から隔週の指導を始めるということで良いのではということになった。
今はのびのびと春休みをエンジョイしているらしい。

これまでも同様のご相談をいただき、偏差値60以上の複数の学校も含め何名もの付属生の指導をした。
どの子も小学校の授業のフォローだけで内部進学をこなし、中学進学後も並みいる中学受験生たちに全くひけを取らない成績を挙げてきた。
算数が苦手だった女子でも、中学時代は数学で平均点を取るのがやっとだったのが、高校の内容になったら平均以上を取れるようになった。
中学受験した子は、初めは貯金で努力せずに上位を維持できるが、高校数学の内容になってくると地道な努力をしていた子に、いつの間にか追いつかれ追い越されてしまうということなのかもしれない。
内部進学した子は、自分のペースで学習し続けるということが中高6年間でも維持できるようだ。

ただ、中学受験生か内部進学生かにこだわる必要もないと思う。
どういう環境であっても、学ぶことの楽しさをつかめた子は伸びるということだろう。



サピックス新小6生への指導のひとこま。

5年の半ばから指導を始めた新小6のA君。
毎週「サポート」を使って、サピックスで受けた授業の分からなかった部分のフォローを行っている。
先週は「速さ」の単元だった。
ところが、先週の指導の際には、復習していて分からなかった「数の性質」の問題を指導して欲しいとの希望だった。次のテストに向けて総復習をしていたのだろう。

「デイリーサピックス」610-01の9ページ2番が分からないとのこと。

どこまで分かっているかを確認する為に1番を解いてもらった。

1番の問題文
『1から30までの整数をかけた1×2×3×・・・・・・・×30の積について、次の問いに答えなさい。
(1)積を順に3で割っていくとき、何回目に初めて3で割り切れなくなりますか。
(2)積を計算したとき、一の位から何個0が続きますか。』

1(1)の式は次の通りにすらすらと書いていく。
30÷3=10
30÷9=3・・・3
30÷27=1・・・3
10+3+1=14
14+1=15
答え15回目

全く問題なし。

続いて(2)
30÷5=6
30÷25=1・・・5
6+1=7
答え7個

これも全く問題ない。


そこでいよいよ2番に入る。

2番の問題文
『1から40までの整数をすべてかけた数があります。この数を6で割って割り切れたら、その商をさらに6で割る計算を割り切れなくなるまでくり返します。
何回目に初めて割り切れなくなりますか。』

「どう解いたのか、途中まででもいいから式を書いてみて」と言ったら、次のように書き出した。
40÷6=6・・・4
40÷36=1・・・4
6+1=7
7+1=8
答え8回目

そういうことかと得心して、指導に入る。

1番の(1)の解き方からすると、基本は理解しているようなので、(2)の式の意味を聞いた。
すると彼の答えは次のようだった。
以下、A君(A)と久保田(久)の対話形式にまとめる。

A「サピックスの授業で、0がいくつ続くかを考えるときは5の数だけ数えれば良いと習ったから。」
久「なぜ10ではなく5なの?」
A「10=2×5で、1から30までには5の方が少ないから」
久「ならば2番も同じように考えないとね」
A「・・・・・・・」

どうやら、0が何個続くかということが10で何回割り切れるかということと同じだということが理解できていない様だった。
0が続く個数を求める時には5の個数を数えれば良いとだけ理解してしまったようだ。


そこで、次のようなまとめをノートしてもらった。


1番(2)の考え方

一の位から何個0が続きますか。
 ↓
□で何回割り切れますか。
(□に数を記入させる。10と記入できた)
 ↓
10=2×5である。
(素因数分解については説明済み)
 ↓
1×2×3×・・・・・×29×30の積を素因数分解したときの□と□の個数を調べる。
(ここでも□には数を記入させる。2と5と記入できた)
 ↓
1から30の中には□より□の方の個数が少ないから、□の個数分だけ10ができ、その個数分だけ10で割り切れる。
(ここでも各□の中には正しく数字を入れられた)


次に2番の解き方をまとめる。

6で割り切れた商をさらに6で割っていき、何回目で割り切れなくなるか。
 ↓
□で何回割り切れるか。
(□に数を記入させる。6と記入できた)
 ↓
6=2×3である。
 ↓
1×2×3×・・・・・×39×40の積を素因数分解したときの□と□の個数を調べる。
(ここでも□には数を記入させる。2と3と記入できた)
 ↓
1から40の中には□より□の方の個数が少ないから、□の個数分だけ6で割り切れる。
(ここでも各□の中には正しく数字を入れられた)

ここまで書いて、1番と2番のつながりが理解できたようだった。
そして、再度ノートに2番の解き方をまとめてもらった。

今度はきちんと最後まで立式できて正解まで至れた。


なぜ6ではなく2や3について考えるのか。
1×2×3×4×5×6×・・・・・の6からしか考えないと、その前の2と3からできる6が抜け落ちてしまうからだ。
ここまで理解できて素因数分解というものが何なのかをつかめたと言える。
そうしたことを自分の頭と手とでつかむ。それが大事だ。

テーマ : 算数・数学の学習
ジャンル : 学校・教育

4年生の指導。

4年生は集中力が続かないだろうと思い、2時間の家庭教師は無理だと思っていた。
だが、ことはそう単純ではないと最近知った。

昨年、4年生のA君のお母様から現状分析だけでも良いので体験授業をして欲しいとのご希望をいただいた。
塾の算数の授業が全く理解できないとのお話しだった。

だが、体験授業をしてみて感じたのは、じっくり説明していけばきちんと理解し、理解したことは次の問題で確実に使いこなせる子だということだった。
要は集団授業のペースが速すぎて、理解しないうちに次へ次へと進んでしまうということだったのだ。
そのことをお話しし、本人の学力自体に問題は無いですとお伝えした。

家庭教師がご希望だったが、通常は5年から始める方が多いということをお伝えして失礼した。
4年生で2時間ぶっ続けの指導は負担が大きいだろうと思っていたからだ。
だが早速に、隔週で良いので、すぐに指導を開始して欲しいとお申込をいただいた。
比較的融通の利く土曜のご希望だったので、隔週の指導ということでも良いですとお引き受けすることにした。
2時間授業についても、隔週なら問題ないだろうと思った。
というのは、体験授業は90分の予定だったが、実は、本人の理解に時間を割いたので2時間近い長さになっていたのだ。
だが、最後まで本人の集中力、思考力は衰えることはなかった。
むしろ前半で少しずつ理解できてきて、後半はその単元の意味がつかめて、問題を解くことが面白くなったのか、いわゆる「乗っているな」という状態になっていた気がする。
私からしても、乗っている状態の子を見るのは嬉しいことなので、2時間はアッと言う間に過ぎた感じだった。

その様な次第で、隔週での指導ということで4年生の家庭教師を開始した。
つまり1回の指導で塾の2週分の内容を指導するということだ。
今もこのスタイルで続いているが、こなせる問題数は着実に増えてきている。

ところで、一度、こんなことがあった。
その前の2週で習ったうち、一つの単元は塾の授業だけで理解できたが、もう一つの単元は全く理解できなかったので、その単元だけを2時間指導して欲しいということだった。
ところが、その後に実施された塾のまとめテストでは、私と一緒にやった、苦手だった方の単元は平均点を超えたのに、分かっていたと思っていた方の単元は全く得点できなかったということだった。
そのことがあってからは必ず2つの単元とも一緒に学習することにした。

彼が通う塾は地元に根付いた小規模の独立集団塾だが、大手塾の講師だった方々が独立して作られた塾のようで、かなりハイレベルな授業を行っている。
その為、4年生でやっていることは、通常5年以降で習う単元の先取りである。
だから、今全ての問題を解けるようにしなければならないということではない。
彼との授業も、決して全部の内容を理解させようとはしていない。
基本をじっくりつかませることに主眼をおいている。
パターンだけを覚えさせて基本問題ならどんどん答えを出せるようにという指導はしていない。
必要な知識はきちんとノートにまとめさせる。
考え方を説明し、では式はどうなるかと考えさせ、式を書かせたりもする。
出た答が何を表しているかも問う。
答えの単位を書かせるだけでも理解度は確認できる。
そうした問いに、真剣に取り組む姿勢は、私にも大きな喜びだ。
だから、決して急がせることはしない。
その代わり、よく分からない時はすぐに言うようにと言ってある。
だから、彼が「分かりません」というまでは、決して安易に説明を開始したりはしない。
式を書いては、見直して消しゴムで消し、また書いては見直し、といった感じで問題に取り組んでいる。
段々と核心に迫っていく様子は頼もしいと感じることもある。
どうしてもらちがあかない時は「分かりません」と言ってくれる。
それでも、見当違いな式ばかりを書いたあげくに完全に手が止まってしまったような時は、さすがにこちらから多少の助け船を出したりもするが、いずれにしろ、自分の頭で考えるということは、2時間しっかり維持できている。
4年生で、算数が苦手と思われていた子でも、きちんと取り組ませればこのようにじっくり対応していけるのだということは、私にとって、大きな発見だった。

その子は、その子の考えるペースに合わせさえすれば、どんな内容についても自分で考え、仕組みを理解するということができる子だった。
理解のスピードが遅いので算数ができない子とレッテルを貼られてしまったようだ。

今算数が苦手と思われている子にも、この子と同じようなタイプの子は少なくないのではないかと思う。
集団塾は、文字通り、集団である子、複数の子どもに一気に新しい単元を理解させようとしていくのだから、そのペースに合っている子もいる反面、理解力は在っても、ペースに乗り切れなくて理解できないままで授業が終わってしまう子もいることだろう。
簡単に、うちの子は算数が苦手なのね、と決めつけてしまうのでなく、一度、家庭教師や個別指導塾で体験授業を受けてみたらと良いと思う。

さらに言うなら、中学受験に向けての学習をいつ始めるのが良いかは、学習に対する姿勢ができた時ということだ。
4年生から始めて効果の出る子もいれば、早すぎる子もいる。
単純に何年生の何学期からとは言えないということだ。

また、学習法を安易に分類して、それを機械的に当てはめるだけでは意味がない。
その子その子で、指導法は少しずつ異なってくる。
算数が得意な子がさらに上を目指す場合の指導では、課題をどう選んでいくかが一番のポイントになる。
算数が苦手な子の指導では、基本問題をどのように切り崩していくのかの過程を把握させることがポイントだ。
また、得意な子、苦手な子にも色々な子がいる。
勝ち気な子、おっとりした子、あわてん坊、じっくり過ぎる子・・・

そう考えると指導法は様々になるが、実は出発点は簡単なことだ。
どんな指導をすれば、頭を使うことを楽しいと感じられるようになるか。
まさにその一点から全てが始まる気がする。

4年生のA君が教えてくれた教訓は大きい。






プロフィール

久保田塾・塾長

Author:久保田塾・塾長
東京都内、自宅にて個別指導、都内近県にて家庭教師をしています。
受験対策でも不登校児へのフォロー指導でも、私を頼る者全ての力になりたいと思っています。
でも、出来ない事は出来ないので、その時は、よりふさわしい先生をご紹介したり、次善の策がないかを模索したりします。
一番得意なのは中学受験の算数指導。「どんな問題でも解ける」という事より、「志望校に合格するにはどういう力を付ければ良いかを伝える」のが大事なのです。そのことを分かっていない保護者の方々、現役の塾講師、家庭教師の先生方があまりにも多い。
教育ネタが中心になると思いますが、趣味に走ったりもするかも。
前から興味のあったブログというのを始めて、ちょっとワクワクの「え~年のおっさん」です。
(2008年2月2日(先勝)・ブログ開始)

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