女子学院ロス

駒場東邦中学の算数の大問1(4)が話題になっているようです。
問題は次のようなものです。
「今まで算数を学んできた中で、実生活において算数の考え方が活かされて感動したり、面白いと感じた出来事について簡潔に説明しなさい。」
これで5点前後がもらえたと思うと、駒場東邦で?
と、ちょっとショックです。
あるいは2020年からの、大学入試改革を見据えての出題かもしれませんが、これまでの過去問演習を必死にこなしてきた6年生にはある意味ショックな内容だったのではないでしょうか。

しかし、それより私にとってはもっと大きな衝撃がありました。
それは、今年の女子学院中学の算数の問題です。

難関校入試の場合、パターンあてはめでは対応できない問題、いわゆる試行錯誤的な問題が出るのが普通ですが、女子学院は、難関校の中では、パターンあてはめで対応できる問題がかなりの出題範囲を占めていた学校と言えます。
それでも速さにしても、水槽問題にしても、それなりに細かな条件をチェックをしていかないといけない解きづらい問題が少なくなかった学校です。他の学校に比べ、試験時間が短いということもあり、それなりの難問出題の学校と思われてきました。
2015年の6番などは、今年の桜蔭の立体切断などの問題よりも、よほど空間的な想像力を必要とし、かつ水槽問題の王道のパターンも知り尽くしていないといけないような真の良問の1つだと思えるものでした。
あの時間内で、他の問題を解いた上に、更にこれを解ききったという子は少なかったとは思いますが、学校の意気込みを感じるような問題と私は受け止めていました。
実際、その後の受験指導で、色々と考えさせてくれるとても面白い問題なので、女子学院志望者以外(男子も含む)にも単発で課題に出したりしていた問題でした。

そんな問題を出す学校ですから、第一志望としてきた子どもたちもかなりの難問に取り組んできたことと思います。
そうした子どもたちにとって、今年の女子学院の問題は唖然とするような内容だったと思います。
一言でいえば、簡単すぎるのです。
類型的な出題ばかりだったのです。
これも大学入試改革を踏まえ、標準的な問題をそつなくしっかりと素早く処理できるような子に入学して欲しいという、学校のメッセージの現れととらえるべきなのでしょうか。
今年の女子学院の算数の平均点はかなり高くなったと思います。
ひょっとすると、時間前に解き終わってしまって、何か読み違いがあったのではないかと不安になった子もいたのではないでしょうか。
いや、そういう子は皆、桜蔭を受けていた?
あながち冗談とは言えないかもしれません。
あるいは、子どもの質も変化してきているのでしょうか。
学校もそうした動きを察知して、より的確な明晰な子の選び方を模索しているのでしょうか。

つるかめ算のような基本中の基本といった出題が難関校の試験にも多くなったりといったことに象徴されるように、難関校の算数は、総じて解きやすいものに変わってきているようにも感じますが、それでも多くの学校の入試は、極端な難易度の変化はなかったように思います。
それだけに、女子学院の今年の算数は、私にとっては、まさにショックと言えるような易化ぶりでした。
来年の入試はどうなるのでしょうね。

ホワイトボード


駒場東邦中学の今年の入試問題四番は立体の切断でした。
解くのに、100均で買ったホワイトボードが役立ちました。本番でこれは使えませんが、普段の学習にはとても役立ちます。両面が使え、白紙と罫線つきが使い分けられます。
5色のマーカーも5本で100円ですからこれも是非一緒に買いましょう。

テレビドラマ「下剋上受験」

東京地区では毎週金曜の夜に放映されている「下剋上受験」というドラマが人気の様です。

少し前の「受験のシンデレラ」や、もっと昔の「ドラゴン桜」は大学受験についてのドラマでしたが、この「下剋上受験」は中学受験を扱ったドラマですので職業柄、気になって毎回見ています。
ドラマとして見るととても面白いですね。

受験の参考になるのか?

これは意見の分かれるところでしょうが、私は得るところも大だと思いました。

これまでよく言われてきた、「中学受験は親子での最後の共同作業」というのを裏打ちするような内容ですね。
中卒のお父さんが、娘の中学受験を応援する為に、会社まで辞めて全力投入で娘を指導するという話しです。

私に一番印象的だったのは、例えばつるかめ算を理解させる為に、鶴と亀の折り紙人形をたくさん作って、それを使って実際に問題を解く過程を理解させるというくだりでした。
解き方・考え方を全く知らない子に説明するのには確かにとても分かりやすい方法だと思いました。
ただし、コストパフォーマンスでいうと甚だ効率の悪いやり方だとは思いますが。
それでも、このドラマでは、娘がお父さんのやる気を実感する契機となっていました。
親の本気度を子どもに示すというのは大事な点だと思います。
ただし、親が実現できなかった夢を子どもに押しつけるということになってはまずいですが。
このことは、学校の担任の先生を通じて、このドラマの中でも語られていましたね。

さて、つるかめ算の解き方に話しを戻します。
実際につるとかめを1つずつ取り替えながら足の数の変化を実感させるというのは有効だという話しでした。
6年生になってこの考え方は幼稚だろうと思われる方も多いかと思いますが、つるかめ算の変形バージョンには、このやり方でないと対応しづらいという問題もあります。
例えば今年の洗足学園中学の第1回目の入試には次のような問題がありました。

洗足学園中学校2017年入試第1回算数・2番(2)

これは、「下剋上受験」のお父さんの解き方が有効です。

ただし、この問題なら、算数が分かってきている子には、私は面積図で解くことを勧めると思います。
取り替えながら個数をチェックしていくやり方と面積図による解き方と、どちらのやり方が良いか、実は、その子、その子の特性により異なってきます。
今年も洗足の1回めの受験を終えた子から、この問題が解けなかったので教えて欲しいというファックスが届きました。
この子には取り替え方式で説明したファックスを送りました。
この子はあまり算数は得意ではなく、でも地道な作業を嫌がらない性格の子だったのでこのやり方にしました。
場合によっては割合の数を使って式を作り、消去算のように解くやり方が一番しっくり来るという子もいるかもしれません。

あのドラマの場面では、まだつるかめ算そのものを知らない子に説明していくという状態でしたから、あの説明はとても良いと思いました。

その先では、今度は速さが出てきましたね。
速さとつるかめ算の融合という問題も少なくありません。
今年の入試にもありました。

このブログの前回の記事で紹介した浦和明の星の4番です。

話しがそれました。

何と言っても、親子の連携の大切さ、これが中学受験では一番大事です。
そのことをきちんと伝えてくれるという意味で、このドラマは良いドラマだと思います。
ただし、テレビドラマですから、かなり色々なことが誇張されているのも確かです。
そこも理解した上で楽しんでいけば良いと思います。

質問のファックスをくれた子は洗足学園中学が第1志望でした。
無事第1回目の入試で合格していました。
5年生の時の成績を思い出すと、よく健闘したと思います。
解けなかった問題をきちんと覚えていて、そのことについての質問をしてきた子は、これまでにいましたが、皆その試験で合格していました。
冷静に試験のことを覚えているということは、冷静に受験できたということの証しなのかもしれません。
ドラマの主人公の子は、原作の本で、第1志望には合格できなかったということが分かっていますが、それなりの成果で終了できたということも分かっています。
そういう意味でも安心して見て良いドラマかもしれません。


ダイヤグラムの活用。

今年の入試問題も出そろいました。
どの学校も傾向がはっきりしてきているようです。

そして速さの問題も花盛りです。

私は5年生から、速さの問題ではダイヤグラムを使わせます。
とても分かりやすいからです。
書くのもすぐに慣れます。
6年で速さの面倒くさい問題に出会うと、まずダイヤグラムを書かせます。

今年の問題では次のようなものがありました。

浦和明の星女子中学校2017年入試問題・算数4番

これはダイヤグラムを書き慣れた子なら、すぐに概要をつかみます。
そして、つるかめ算だと見抜き、場合によっては面積図を使って解くと思います。
このような視覚化は、単に理解を早めるだけではなく、時間の節約にもなります。
考え方を説明しなさいという学校もありますが、的確な図が書いてあればそれで充分だと、中学校の先生からもお聞きしたことがあります。

速さの勉強では、単位換算の正確さと共に、ダイヤグラムやグラフに慣れるということが大きなポイントになります。
プロフィール

久保田塾・塾長

Author:久保田塾・塾長
東京都内、自宅にて個別指導、都内近県にて家庭教師をしています。
受験対策でも不登校児へのフォロー指導でも、私を頼る者全ての力になりたいと思っています。
でも、出来ない事は出来ないので、その時は、よりふさわしい先生をご紹介したり、次善の策がないかを模索したりします。
一番得意なのは中学受験の算数指導。「どんな問題でも解ける」という事より、「志望校に合格するにはどういう力を付ければ良いかを伝える」のが大事なのです。そのことを分かっていない保護者の方々、現役の塾講師、家庭教師の先生方があまりにも多い。
教育ネタが中心になると思いますが、趣味に走ったりもするかも。
前から興味のあったブログというのを始めて、ちょっとワクワクの「え~年のおっさん」です。
(2008年2月2日(先勝)・ブログ開始)

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