最近増えたご相談への私なりのお答え。

最近増えたのは、いわゆる集団塾だけの指導で本当に効果的な中学受験学習ができるのでしょうかというご相談だ。
その都度同じような答えをしているので、ここにまとめて私なりの考えを述べたい。
考えというより経験談といった感じなので、あくまで参考の一つとして読んでいただければと思う。
メールでいただいたご相談への回答からの抜粋引用だ。

引用の前に大まかな考えを述べておく。
算数以外の指導については塾が合っているなら塾を進め、算数だけを家庭教師や個別指導でフォローした方が良い。
特定の教科については家庭でのフォローができるなら、塾に通わず、フォローできない教科だけに家庭教師や個別指導を考えたら良い。

メールでの回答は以下の通り。

【以下引用】
結論から言えば、ご家庭である程度のフォローが出来るなら、塾に通わずに弱点のみを家庭教師や個別指導で強めるという方法でも充分な結果を得られると思います。
受験全般の情報は、大手塾の説明会や、公開模試受験時に配布される冊子等でも得られます。

一例を示します。もうかなり前の生徒のことなのでプライバシーについてもある程度ゆるやかに考えても良いと思うのでなるべく具体的に話します。

サピックスに4年から通っていた男子についてです。

5年最後の段階でお母様からご相談をいただきました。

「ずっとサピックスに通っているが、5年から成績は下降気味でどうしても中位から上に行けない。
6年からどうしたらよいか。」とのご相談でした。

ご相談の結果、お母様は以下のような決められました。
(1)サピックスはすぐに辞める。
(2)算数指導は私の家庭教師のみ(週1回2時間)
(3)国語指導は私がご紹介した工藤作文教室のみ(週1回1.5時間)
(4)理社は早稲田アカデミーの集団授業を受講(理社のみの受講可とのことでした)
このスタイルで夏まで進めました。
秋からは早稲田アカデミーの武蔵NNに合格し、そこに通いながら上のスタイルを継続しました。

私のところで指導した内容は次の通りです。

(6年1学期)
予習シリーズ6上の例題を家庭で自分で解き、分からないところは質問する。
基本問題・練習問題も解けるものは解いておく。家庭でのフォローは一切不要。
つまり毎回の授業内容は各回で自学では体得できなかったものの解説、および別解を知っておいた方がよいものについての別解指導でした。
問題によっては予習シリーズのやり方では分かりにくいものもありますので、その点はこちらからきちんとフォローしていきました。
また、5年までの既習事項で前提となる知識が抜けている場合はその部分のみフォローしました。
このペースで予習シリーズ6上は基本問題までは1学期中に全部をやりきることができました。
1学期の算数はこれ以外のものは何もやっていません。

(夏休み)
夏休みは、6上の練習問題の残りをやった上で、算数全般の総チェックのプリントをこちらで用意し、週2回のペースで指導し、5年までの学習事項での抜けまでチェックしました。以上の結果、2学期からの早稲アカのNNに合格しました。(早稲アカのNNには入会テストがあります)
早稲アカのNNというのは志望校別の特別選抜授業の総称です。
当初、このお子さんの第一志望は世田谷学園でしたが、その後の成績伸長から第一志望は武蔵になり、結果NNも武蔵コースを選択しました。

(2学期以降)
2学期以降の私の指導は、NNで扱った問題で解法が理解しきれなかったもの、および、授業で扱わなかったNNテキストの問題の解説でした。武蔵NN自体が武蔵の過去問演習に近いものでしたので、武蔵の過去問についての指導は彼から質問があったもののみにしました。
受験近くになると、武蔵以外の受験校の過去問の指導もしたのは当然です。
最終的に、このお子さんは受験した学校全てに合格しました。
受験校は次の通りです。
栄東、立教新座、武蔵、世田谷学園、高輪算数選抜

工藤作文教室は受験指導そのものはやらないところのようですが、お母様のお話によると、通い出してから読書量が増え、国語を解くときの文章を読むペースが速まったのではないかとのことでした。
記述への抵抗もなくなったのだと思います。武蔵には最適の指導をしていただけたのだと思います。
工藤順一先生は直接の面識はありませんが、先生の著作を通じ指導内容に共感していたので先生の作文教室のことを参考程度にそのお母様にご紹介しました。すぐ問い合わせ、指導内容に共感し、偶々空きがあったということでお申込されたようです。
このお子さんはもともと国語の素養があったのだと思います。だから算数の予習シリーズの学習についても自学である程度進めてこられたのだと思います。
サピックスを続けていたらこのお子さんの持っていた力とはかみ合わない指導が続いていたのだと思います。

このお子さんについてはご家庭でどこまでフォローされていたか定かでない部分もありますが、算数については一切ノータッチでした。

以上思いついたことをお話しさせていただきました。
参考になれば幸いです。』
【以上引用】

引用部分で言葉足らずなこともあるので少し付け加える。
まず、サピックス自体はとても良い塾の一つと言えると思う。カリキュラムや教材はしっかりしているし、優秀な先生もたくさんいらっしゃる。偶々今お話した子の力と通っていた教室での指導とがかみ合わなかっただけだと思う。サピックス自体を否定する気は毛頭ないのでご注意を。

また、集団塾に通わないと競争相手不在でモチベーションが上がらないのではないかという不安について。
確かにそうした点はあると思うが、個人差もあると思うので、お子さんの性格によって判断すれば良いと思う。

女子2教科受験の中堅校志望の子を算国とも私一人で指導したことがあるが、その子はとても内気な性格で集団塾だと萎縮してしまって思うように勉強できないという理由で、6年からは塾を辞め、私の指導だけに変えた。
結果、自分のペースで進められることもあって、学習に専念できるようになり、きちんと学習内容を深められた。6年秋からは公開模試で試験の雰囲気にも慣れ、受験を見事に終えることができた。
2科目受験ということもあったし、彼女は塾に通わなくて良かったと思う。
彼女とは算数については応用自在1冊を使っただけだ。国語は初めから過去問をどんどん進めた。

先ほど例に挙げた子は、早稲アカのNNに通うようになって俄然モチベーションがアップした。あのモチベーションアップがなければ結果は変わっていたかもしれない。

テーマ : 中学受験
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

久保田塾・塾長

Author:久保田塾・塾長
東京都内、自宅にて個別指導、都内近県にて家庭教師をしています。
受験対策でも不登校児へのフォロー指導でも、私を頼る者全ての力になりたいと思っています。
でも、出来ない事は出来ないので、その時は、よりふさわしい先生をご紹介したり、次善の策がないかを模索したりします。
一番得意なのは中学受験の算数指導。「どんな問題でも解ける」という事より、「志望校に合格するにはどういう力を付ければ良いかを伝える」のが大事なのです。そのことを分かっていない保護者の方々、現役の塾講師、家庭教師の先生方があまりにも多い。
教育ネタが中心になると思いますが、趣味に走ったりもするかも。
前から興味のあったブログというのを始めて、ちょっとワクワクの「え~年のおっさん」です。
(2008年2月2日(先勝)・ブログ開始)

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