算数の教材、小4で使うには何が良いか。

中学入試の算数は、小学校の授業レベルでは追いつかないということはよく言われる。
実際その通りだ。

だが、本格的な学習は小5からで大丈夫。
ほとんどの塾の小4用の教材も、小5以降に学習する内容の先取りに過ぎない。
小4までは何も小5からの学習を先取りする必要はない。
何しろまだ脳自体が充分に成長したとは言えない状態の子も多いから。
そんな未熟な状態に複雑な思考を要求するよりは、直線の引き方、数のイメージや角度の感覚などをしっかり定着させるのが良い。
90度や180度の角度がイメージできるのは当たり前として、30度や60度も大体で良いから書けるようにしておくのはとても大事だ。
何倍という概念も漠然とで良いからイメージできるように。
4倍を線分図で表すときに、小3までならカギの付いた線を4本書いても良いかもしれないけれど、小4ともなれば、○(丸)1や○(丸)4といった、マークの付いた数字記号を使えるようになって欲しい。
このことをきちんと伝えると、線分図を書くのが俄然早くなる。
割合の概念にもつながるとても大事な技術だ。

だから、検定教科書レベルの学習でもやれることはいくらでもあるのだ。
小4までは学校の教科書を徹底的にマスターするということでも心配ない。
そこで培われた素養を、小5からの特別な算数学習のベースにしていけば良い。
いや、充分なベースがある方が特別な算数学習自体も円滑に進められるのだ。
小4の検定教科書が全部こなせた子は、小5の検定教科書を勉強してしまえば良い。
書店によっては、検定教科書を購入できる。
都内であれば大久保の書店で購入できる。
教科書を買わなくても、教科書準拠の問題集や参考書を使えば良い。
これなら、どこの書店でも普通の書籍と同じように必ず買える。
こうしたものをきちんと仕上げることが大切。
検定教科書が、中学受験の下地作りには最適なのだ。

視点がずれるが、次のようなケースもある。
中学受験はしないけれど、高校受験の準備自体を小5から始めるというご家庭のケースだ。
そうしたケースでは、なるべく早く小6までの検定教科書の内容をこなして、小6のうちに中1の教科書の学習に入る。
こういう学習で、高校受験で素晴らしい結果を残す子も増えた。

話を戻そう。
中学受験をするにしても、学校の教科書をないがしろにしない!というのはとても大切なことだ。
文章題に慣れるのも、小4のうちに、教科書レベルの文章題をしっかり解くという習慣を付けさせておけば充分。
これができていれば、小5からの中学受験用の算数学習に抵抗なく入っていける。

ただし、以上は一般的な子の話。

これまでの長年の指導を振り返ると、中には生まれつき何でも考えられてしまうといった子もいるのだ。
そういう子には、先取りでどんどん高度な問題を早いうちから解かせても何の問題もない。
ただし、本人の思考ペースに無理がなければ。
まわりからせっついて難しい問題を無理矢理解かせるという状態は、絶対に小4までの子にやってはいけないが、算数やパズルや思考問題が好きで、何でも良いから解かせてという子にはどんどん何でもやらせたら良い。

問題なのは、こうした子が実践した方法を、どんな子にも使えるように思ってしまって、英才教育という名の下に、難しい問題を早い段階で一般的な課題として扱ってしまうことだ。
先取りの教材はよくよく考えて使わないと、伸びる芽を摘むことになりかねない。

「いやいや、そういう難しい問題に取り組ませることで、本当にできる子かどうかが判断できるのですよ」という先生もいらっしゃる。
確かにそういうことも言えるのかもしれない。
だから、できた子は良い。
どんどん伸ばしましょう。
開成が滑り止めという子もいました。

でも、できなかった子の挫折感、学習に対する意欲の喪失といったことにも是非配慮して欲しい。

大は小を兼ねる
ではないが、
易は難を兼ねる
のだ。


テーマ : 中学受験
ジャンル : 学校・教育

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プロフィール

久保田塾・塾長

Author:久保田塾・塾長
東京都内、自宅にて個別指導、都内近県にて家庭教師をしています。
受験対策でも不登校児へのフォロー指導でも、私を頼る者全ての力になりたいと思っています。
でも、出来ない事は出来ないので、その時は、よりふさわしい先生をご紹介したり、次善の策がないかを模索したりします。
一番得意なのは中学受験の算数指導。「どんな問題でも解ける」という事より、「志望校に合格するにはどういう力を付ければ良いかを伝える」のが大事なのです。そのことを分かっていない保護者の方々、現役の塾講師、家庭教師の先生方があまりにも多い。
教育ネタが中心になると思いますが、趣味に走ったりもするかも。
前から興味のあったブログというのを始めて、ちょっとワクワクの「え~年のおっさん」です。
(2008年2月2日(先勝)・ブログ開始)

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