算数の指導で大切なこと

夏期講習もピークを迎えつつあります。
私の授業でも、各塾の夏期講習テキストからの質問が多いです。

塾では質問する時間もあるようなのですが、混んでいたり、説明されても理解できなかったりで分からないまま持ち帰ることもあるようです。
その時は、まず、塾から配られている解説を読んで考えなさいとアドバイスしています。
その方が効率よく進められるからです。
でも、正直、解説を読むだけでは本当にその問題の本質をつかめるか心配なこともあります。
なぜなら、塾から配られる解説は一つの解き方しか載っていなかったり、とても簡略だったりで、読んだだけではなかなか理解しづらいものだからです。
また、考え方は載っていても、その為に、具体的にどのような作業をしていけば良いかが分からないものもあります。

このことを踏まえ、私がどのように算数を指導しているかを書いてみようと思います。

例えば、私が受けた最近の質問の一つが次のような問題でした。

【問題】AからBまで連続する整数をすべてかけたとき、一の位から順に見て最初に現れる0以外の数字を(A,B)でかくことにします。
たとえば、1×2×3×4×5=120なので、(1,5)=2です。

(1)(1,10)を求めなさい。

(2)(121,130)を求めなさい。

この問題への、塾から配られた解答の解説は次のようになっていました。

『(1)への解説
(1×2×3×・・・×10)÷10÷10=1×3×4×6×7×8×9より8です。』

なぜ10で2回割るのでしょうか。
分かりにくいですね。

私は次のように説明しました。

(1,10)を計算した0の個数は、その積が10で何回割れるか、つまり、1から10までの数を掛け合わせたときに何個の10ができるかで求められる。
それを調べる為には、1から10の各数を素因数分解すればよい。
(素因数分解については既に指導済みです)
すだれ算のやり方で、各数を下向きに割っていくやり方を指導しました。
ここではその表記がしづらいので、簡易的に式で表します。

 1× 2× 3× × 5× × 7× × × 10
=1× 2× 3× 2×2× 5× 2×3× 7× 2×2×2× 3×3× 2×5

ここで、10=2×5ですから、これらの素因数の中から、2と5のペアが何組できるかを数えます。
下のようになります。
(緑が2・赤が5です。)
(連続する整数を素因数分解していくと、5の因数の方が少ないので、5の個数を先に数え、それと同じだけの2を消すと考えていきます。)

=1× × 3× ×2× × 2×3× 7× 2×2×2× 3×3× 2×

10が2組できました。
ですから、塾の解説では10で2回割っていたのです。

ここでは上の式から、2個ずつの2と5を取り除いて、残りをもとの数にもどしていきます。

=1× 3× 2× 6× 7× 8× 9× 2

これを計算した結果の1の位だけが知りたいのですから、順に1の位だけを掛けていけばいいですね。

=1× 3× 2× 6× 7× 8× 9× 2
   3  6  6  2  6  4  

答え 

(2)についても全く同じ手順です。
121から130までの数を順に書き出して、各数を、すだれ算のように素因数分解していきます。
そして、5が何個できたかを数えながら消し、それと同じ個数だけの2も消します。
各数の下に、残った因数だけからできる数字を書きます。
たとえば、122からは2が1個消えますから、61になります。
124からは2が2個消えますから、31になります。

そして、下に書き出された数の、1の位だけを順に掛けていけば良いのです。
細かい手順は省略しますが、やり方、考え方は(1)と全く同じです。

ここで一番大切なことは、具体的にどのように答案を書いていくかを理解させることです。
その為には、一つ一つの作業がどういう意味を持っているのかを知る必要があります。
これがまさに算数学習の一番のポイントだと思います。

この生徒の指導の時は、(1)を説明したあとに、(2)を一人でやらせました。
解きながら、詰まったところで質問してくれるので、そこで(1)とのつながりを説明しました。

このように考えていくと、塾からの解説の意味も理解できると思います。
参考に、(2)についての塾の解説も載せておきます。

『(2)への解説
10で4回割り切ることができて、その商は
たとえば
121×61×123×31×63×127×128×129×26
と表すことができます。これより、です。』

著作権のこともあると思いますので、どこの塾のテキストからのものかを最後に記しておきます。
サピックス「Summer Support」N61E-10 大問3(一部省略)です。


テーマ : 中学受験
ジャンル : 学校・教育

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プロフィール

久保田塾・塾長

Author:久保田塾・塾長
東京都内、自宅にて個別指導、都内近県にて家庭教師をしています。
受験対策でも不登校児へのフォロー指導でも、私を頼る者全ての力になりたいと思っています。
でも、出来ない事は出来ないので、その時は、よりふさわしい先生をご紹介したり、次善の策がないかを模索したりします。
一番得意なのは中学受験の算数指導。「どんな問題でも解ける」という事より、「志望校に合格するにはどういう力を付ければ良いかを伝える」のが大事なのです。そのことを分かっていない保護者の方々、現役の塾講師、家庭教師の先生方があまりにも多い。
教育ネタが中心になると思いますが、趣味に走ったりもするかも。
前から興味のあったブログというのを始めて、ちょっとワクワクの「え~年のおっさん」です。
(2008年2月2日(先勝)・ブログ開始)

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