方程式の使用。

中学入試では、一般に、方程式を使ってはいけないとされている。
私が某大手塾の講師として採用されたとき、その導入研修でも、
「方程式は絶対に教えないでくださいね」と釘を刺された。

だが、学校算数で、文字を使った式というのを学習する(ことになっている)。
また、実際の入試にはxを使った問題も出されている。
例えば麻布中学の2005年の問題
これを方程式と呼んでよいかは難しいかもしれない。2xではなく、x+xと表してあるし。
いわゆる、未知数を表す□の代わりにxという文字を使っただけとも言える。
だが、例えば中学生がこれを解こうとしたら
普通はxについての不等式を作ると思うので、いわゆる方程式の問題に含めて良いのではないかと思う。

先日ある中学校の説明会にお邪魔した。
その中学の入試では、算数にも記述問題
つまり、解いた過程も示す問題が含まれている。
算数担当の先生が、かなり具体的に記述問題の部分点についての採点基準をお話しされたので
こちらもつい「方程式を使った解法は減点されますか?」とお聞きしてしまった。
算数担当の先生と私だけの会話だったからか、
「合っていれば減点はしません」とのお答えを頂いた。

私は中学入試の受験指導としては方程式は教えない。
だが、方程式もどきは活用している。
いわゆる「割合の数」というやつだ。
例えば1組と2組の人数の比が5:6だと与えられていたら
1組の人数を⑤(マル5)、2組の人数を⑥(マル6)とおいて式を作ったりするやり方のことだ。

これをもとに線分図を作ったり面積図を作ったりして説明していく。
3xの代わりに(マル3)、4yの代わりに(シカク4)と表しているだけと言えなくもない。
こちらのやり方は、かの大手塾の研修でも大いに奨励されていた。

私が方程式を使わないのは、マル3やシカク4と示した方が、子供に説明しやすいからだ。
割合の数だよということを強調するためにも、マル3とかシカク4と呼んでいる。

わざわざ呼び方の話をするのには訳がある。
ある塾に通う生徒のフォローをしていたとき、その生徒は
私の呼び方に抵抗するかのように、
3マル、4シカクと、まるで3x、4yという方程式を意識したかのような呼び方にこだわっていた。
塾でそのように指導されていたのだろう。
その塾の先生は、方程式への導入という意識もあったのかもしれない。
私はマル3、シカク4と呼び続け
その生徒は3マル、4シカクと呼び続けた。
一種の意地の張り合いのようになるときもあり、心の中で苦笑することもあった。

その生徒も無事第一志望中学に合格し、通学している。
試験でどのような解法を示したかは分からないが、考え方の根本さえつかめているなら
どのような表記でも構わないとも思う。
だが、私は少なくとも今の生徒たちに方程式は教えないつもりだ。
私は3xや4yという表記は、中学に入って
算数と数学の違いの一つとして銘記されればそれで良いと思っている。

テーマ : 中学受験 - ジャンル : 学校・教育

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