似た言葉。

算数に限らず、似た言葉で悩まされることは多い。
私自身、幼いころ、インドとドイツの区別がなかなか付けられなかった。
エレベーターとエスカレーターもいつもどっちがどっちだか分からなくなってしまっていた。
自分自身がそんなであったから、似た子供に出会うと、その混乱ぶりがよく分かる。

今年は、各人の希望時間を聞いて調整してみたら偶々
算数が特に苦手な二人を一緒に指導する時間が出来てしまった。
2:1授業で、偶然にも6年生が重なってしまったのだ。
違う塾に通う二人だが、算数が大の苦手ということでは共通の二人。

今週の授業では、Aさんは最大公約数と最小公倍数で悩まされた。
Bさんは利益、原価、仕入れ値、売値、売価、定価で悩まされた。

二人ともに、これらの事項については、もう何度も指導し、説明しているので、今回はかなりきつく指導した。
今回もなるべく具体的にイメージさせようと、線分図を使ったり、式をいろいろ書き換えたり、相当に工夫して指導したが、やはり実感を伴う理解まで至らすことができたか、正直言って自信がない。
その日は出来る。私と一緒にやっているから出来る。
ところが復習テストの中身を見ると、出来ていたはずの問題がチンプンカンプンになっている。
この二人については、これをもう何回も経験している。

公という漢字の意味、倍数の倍、約数の約という漢字の意味、それらも理解し、実際の問題に即して扱えば何とか違いが理解してもらえると思うのだが、混乱はまだ解消されていないようだ。
売買損益も苦手な子は多い。
この春から指導し始めた、この二人とは別の生徒も、売買損益が出てきたら、「これは去年勉強した時は何も分かりませんでした」とつぶやいていた。

売買損益では普通、線分図が使われるが、問題により解き方を変えないと混乱が増す。
今週、売買損益を勉強しているのは日能研に通う6年生。
6年本科教室第10回を例に話す。
(この段落は、日能研に通っている人スペシャル)
基本問題1は簡単に式で解いてほしい。
分からない子には線分図を使って説明するが、基本が理解できたら式だけで解かせる。
「一致したら割る」という割合の基本事項を徹底させる。
基本問題2は1の発展。
(3)は1gあたりでも最小公倍数の600gあたりでも(算数勘の良い子なら50gあたりでも)良いから、同じ量にした値段で比べるという作業が加わる。これは売買損益の本筋とは離れるので、なぜ基本問題2として出てくるのか意図が不明。
(4)も20個と25個の最小公倍数を値段にしてしまえば楽に解ける。ただし、この考え方を自分で出来るようにさせるのは少し難しいことかもしれない。そもそもこのことも売買損益の本筋とは離れている。
基本問題3。これがポイント。ここで線分図など使ったら、普通の子供の頭は混乱すること必至。5年の本科教室の解説では線分図が使われている。だから分からなくなる子が増えるのだ。
基本問題4から大きく変わる。個数という要素が付け加わるのだ。一つの値段の変化でも辟易(へきえき)していた子にとって、これは止め(とどめ)の一撃となる。これを式だけで説明されても(1)はまだ何とかなるとしても、(2)になったら、大半の子はお手上げではないか?
個数が出てきたらとりあえず面積図だ。
ところが基本問題5はまた一つの値段の変化に戻る。どう考えても4と5は逆だろう。
そして基本問題4(2)より簡単な発展問題1と2が続く。
売買損益が分からない子が多いのは、実はテキストのせいなのではないだろうか。

最大公約数、最小公倍数については、先ほど
「公という漢字の意味、倍数の倍、約数の約という漢字の意味、それらも理解し、実際の問題に即して扱えば何とか違いが理解してもらえると思うのだが」
と、かなり真面目腐った言い方をした。
分からない子からは、「そんなこと言われても、言葉が似てるからいけないんだよ」という本音が聞こえそうだ。
そう、冒頭に述べたとおり、私もインドとドイツや、エレベーターとエスカレーターにはつい最近まで(まあ、インドとドイツは小学校高学年で何とか克服はしていたが)悩まされてきた。だから、最大公約数と最小公倍数でも結構苦しめられた記憶がある。
習うより慣れろかもしれない。
3回でダメなら4回、4回でダメなら5回解こう。
そうしたらきっといつかはっきり区別が出来るよ。

因みに、私は、インドとドイツの区別には下にカレーと付けておかしくない方がインドという技を自分で編み出した。これが小学校4年の頃。これを発見した時は天にも昇るほど嬉しかった。
また、エレベーターとエスカレーターの違いは、「レ」はまっすぐ下に落ちる、「ス」は階段みたいになっていると気づいたことで克服できた。このことに気づいたのはつい数年前のことである。だからそれまでは言い間違えも少なくなかった。

生徒諸君!
先生も同じ苦労をずっとしてきていたのだよ。だからめげるなよ。
怒られたって、「何だい、先生だって」と内心で思って、くじけるなよ。

テーマ : 塾講師のお仕事
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

久保田塾・塾長

Author:久保田塾・塾長
東京都内、自宅にて個別指導、都内近県にて家庭教師をしています。
受験対策でも不登校児へのフォロー指導でも、私を頼る者全ての力になりたいと思っています。
でも、出来ない事は出来ないので、その時は、よりふさわしい先生をご紹介したり、次善の策がないかを模索したりします。
一番得意なのは中学受験の算数指導。「どんな問題でも解ける」という事より、「志望校に合格するにはどういう力を付ければ良いかを伝える」のが大事なのです。そのことを分かっていない保護者の方々、現役の塾講師、家庭教師の先生方があまりにも多い。
教育ネタが中心になると思いますが、趣味に走ったりもするかも。
前から興味のあったブログというのを始めて、ちょっとワクワクの「え~年のおっさん」です。
(2008年2月2日(先勝)・ブログ開始)

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