久保田塾の指導のスタンス。

最近生徒が一人退塾した。

彼女はある大手塾に通っていたが、算数のペースがその塾と合わず、算数のフォローで久保田塾に通っていた。
納得しないと次に進まない子だったので、一回の授業で扱える問題数に限りがあり
塾テキストから事前にピックアップしてある問題だけを順番に解説していく授業スタイルだった。
ところが、試験結果を見ると、久保田塾で説明した問題はきちんと解けているのに、扱わなかった問題はかなり基本的なものでも得点できていないことがあった。
お母様もかなり悩まれていたようで、6年になったのを機に、ご相談を受けた。
体力のないお子さんだったから、老婆心ながら、規模の小さい塾で、もっと面倒見の良い地元の塾に移るのも一策ではとご提案した。
これまでの生徒から聞いた情報を元に具体的な塾名も挙げてみた。
その塾も含め、お母様も色々お探しになったご様子で、
しばらくして、もっと子供に合いそうな塾をみつけてこられ、
体験授業を受けてきたと連絡いただいた。
体験授業も好印象だったようで、そこに移ることにされたそうだ。
その塾では、分かるまで残して教えるということで、一旦、久保田塾は退塾することになった。
かなりの遠地からの通塾で、毎回お母様が車で送り迎えだったようだ。
その負担たるや相当なものだったろう。
通塾回数も減り、拘束時間も減り、自習時間が増えたのは好ましい。
実力が更に伸びればと思って送り出した。

この例から分かって頂きたいことは、私自身は、個別指導塾はあくまで非常処置だと認識しているということだ。
本来なら学校の授業だけで中学受験も成り立つべきと思っている。
だが現状は、少なくとも集団塾に通わない限り、希望の中学には進学しづらい状況が出来ている。
その集団塾の授業が、時としてまた生徒によっては(例えばこの子のように)、今度は学校授業とは別の意味で学力伸長に寄与しない場合もある。
そこで個別指導や家庭教師までが必要となってくる。
生徒の体力的な負担。
親の経済的な負担。
どちらも相当ヘビーなものと言えよう。
しかし、5年なり6年生になった時点で、具体的な数値で合格可能性が低いと知らされてしまっては、多少の負担は仕方ないよということになる。

特に昨今の社会情勢からして経済的な負担は更に無視しがたくなってきている。
私も自分の授業料は決して安くはないと思っている。
ただし、同レベルの授業をしている他塾や他の先生に比したら安いと思っている。
産地直送ではないが、間接費を極力排して、同じことをしている会社経営主体のところよりは安価で効果の上げられる指導内容となっていると自負している。

でも高いのは高い。

だから、本当なら、集団塾の授業だけで受験できるレベルに達してもらえたらと思っている。
そうした学習の出来る生徒なら、社会人となった時にも相当な幅を持ったにんげんとなっているのではないか、そんなことまで思ってしまう。
いや、本来なら、学校教育だけで、その上の選択肢が拡がるというのが理想だろう。
現にもう30年以上も昔
私がまだ中学受験した頃は、市販の受験参考書を自習するだけで、相当ハイレベルな私立中学の受験が出来た。
私自身がその一例だ。
公立小学校に通い、4教科の参考書を自習しただけで第一志望の私立中学に合格出来た。
小学校の担任の先生がもともと国語が専門の先生で、記述対策で作文指導をしてくれたし、私以外にも私立受験をする生徒がいるということで、算数の授業内容も相当ハイレベルなところまで持っていってくれた。
その先生の指導も私の合格に大きく寄与してくれたと感じる。
その頃は、分母の異なる分数計算を4年の学校授業で習ったのではないか。
そして、生徒の大半はそれをマスターしていた。

昔話に花を咲かせても仕方ないか。
現在の公立小学校での教育状況は、敢えてここに書く必要もなかろう。
私立中学受験するなら塾に行くのが当然。
塾の授業が分かりづらければ個別指導や家庭教師をつけるのが当然。
ならば、少しでも負担の少ない形で最良のフォローをしたい。
それが私の基本的な考えだ。

とは言え、指導するからには必ず効果のあるものとして欲しい。
更には、生徒自身が将来なるべく幅の広い人間として育ってくれたらとの思いもある。
だから自分の頭をどう使うかを教えるというポリシーで授業している。
単に解法を伝達するのではなく、その意味を考え、あたかも自分で気づけたかのような気持ちでその解法が使えるようになって欲しいということである。

だから時として、厳しいモノの言い方となってしまうこともある。
私は真剣に対しているつもりなのだが、子供によっては単に怖い先生と感じてしまうかもしれない。
それも仕方ないと思っている。
「良薬は口に苦し」
と自分で言っては元も子もないか?(笑)
だが、それは至言だと思っている。

甘い気持ちで楽な受験をするのなら、敢えて個別指導や家庭教師を受ける必要はないと思う。
それで満足できないから来てくれていると思っている。
だから、効果の出ない授業は絶対にしたくない。
場合によっては、生徒自身の資質と親の希望とが合わず、希望通りの学力に持っていける指導が出来ないと判断することもある。
そういうときはそのことを伝え、私から指導を辞退することもある。
これを「見捨てた」とは思って欲しくないのだが、子供、親によってはそう感じることもあるかもしれない。
だが、授業料泥棒と自分で思ってしまうような授業だけは続けたくない。

塾によっては、伸びる可能性がないのを承知して、売り上げを伸ばす為に、機械的に受講回数や時間を増やさせるところもあるようだ。
(これまでのご相談で具体的に聞いてきた。)
そういうことは絶対にこの久保田塾ではやっていない。
そこは強調させていただく。

個別指導塾や家庭教師センターの広告で
何ヶ月間で偏差値が何ポイント上がったと大騒ぎしているところがあるが
あれは見苦しいと思っている。
なぜなら、上がるのが当然だからだ。
上がらないケースがあったら、それが希有なことなのだから、そのことをこそ広く告知すべきなのにと思う。
指導しても成績の上がらない時は、指導のやり方を改善していくべきなのだ。
それでもどうやっても効果が上げられなければ、先ほど書いたように、そのことを親御さんと子供自身に伝えた上で、どうしていくべきかを相談したり、指導を辞退したりということとすべきなのだ。

以上、思いつくままに久保田塾の指導スタンスを述べた。
検討されている方の参考になれば幸いである。

テーマ : 塾講師のお仕事
ジャンル : 学校・教育

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プロフィール

久保田塾・塾長

Author:久保田塾・塾長
東京都内、自宅にて個別指導、都内近県にて家庭教師をしています。
受験対策でも不登校児へのフォロー指導でも、私を頼る者全ての力になりたいと思っています。
でも、出来ない事は出来ないので、その時は、よりふさわしい先生をご紹介したり、次善の策がないかを模索したりします。
一番得意なのは中学受験の算数指導。「どんな問題でも解ける」という事より、「志望校に合格するにはどういう力を付ければ良いかを伝える」のが大事なのです。そのことを分かっていない保護者の方々、現役の塾講師、家庭教師の先生方があまりにも多い。
教育ネタが中心になると思いますが、趣味に走ったりもするかも。
前から興味のあったブログというのを始めて、ちょっとワクワクの「え~年のおっさん」です。
(2008年2月2日(先勝)・ブログ開始)

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