シナプスがバチバチ。

月並みな言葉かもしれないけれど、
指導は対話だ。
やり取りしていく課程で子供の知恵を働かせる。
問いかけをし、その答えを待つ間
私は子供のシナプスがバチバチ音を立てて
その子の脳がメキメキ活性化していくイメージを描きながら答えを待つ。
使われていなかった回路に通電していくイメージ。
なかなか電気が通らないとき
(答えがなかなか返ってこないとき)
私は別の問いをすることもあるが
たいていは同じ問いを繰り返す。
すると不思議なもので、ある瞬間、子供が
あっと気付くことがある。
同じ問いを繰り返しているだけなのに。

毎回こうだと苦労はないのだが、
回路がつながらないまま数分の時間が経ってしまうこともある。
かつては10分近く待ってやっと答えが出てきたこともあるが
限られた指導時間の中で、これだけ待つのは勇気がいる。
でも、子供の様子を見ていれば、回路をつなごうとしているか
諦めモードに入っているかは察しが付く。
(これがまさに個別指導のメリット。)
諦めモードに入った子には
別の問いかけで新たなアプローチへの意欲をかき立てる。
指導は対話。
いや、ひょっとすると、極意は「待つ」ことかもしれない。
私が待っているとき、子供のシナプスがバチバチ言い続ける。
これが私の指導の理想だ。

先日もある新6年生の授業時、
彼のシナプスは音を立てているようなのだが
最適のルートが見つからないらしく
堂々巡りの思案ループに陥ってしまった様子。
階差数列の問題。
解いていく課程で、
2+4+6+・・・・・と計算していって、
その和が100を超えるのがいくつまで足した時かをみつける必要が出てきた。
そこにたどり着くまでも大変だったのだが、
これをどう見つけるかで、また長考状態に入ってしまった。
仕方ない、新たなヒントだ。
2+4+6+・・・・・・+□=100を超える
の下に
1+2+3+・・・・・・+○=   を超える
と書いた。
まず、等号の右の空欄にいくつが入るかを考えさせた。
すぐにではなかったが、式の意図を見抜いて50という答えは返ってきた。
私は「その通り」「じゃ、また続きやって」と言って、待つ。
彼はすでに等差数列の和を求める公式は知っている。
10までの和が55というのもすぐ思い浮かべて欲しかったが、それはすぐ出てこなかった。
仕方ない。
「1から10までの和はいくつ?」と質問する。

こんな感じのやり取りが延々と続く。
結局、この日、15分近く終了が延びてしまったが、彼は正解に辿り着けなかった。
次の予定もあったので、
最後にもう一ヒントだして授業終了。
この問題の続きが宿題として出たのは言うまでもない。

その翌日、お母さんからメールが来た。
長いメールだったが、その一部に
「『先生はやっぱりすごいなぁ。書き出したらよくわかる』などと呟いて学習しています」とあった。
本当に分かったのかどうか、それは次回にノートを見てみないと何とも言えないが
少なくとも「書き出して」考えようとしてくれただけでも私は嬉しい。
家でも彼のシナプスがバチバチ言っているのだ。
これが私の究極の理想かもしれない。

テーマ : 子供の教育
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

久保田塾・塾長

Author:久保田塾・塾長
東京都内、自宅にて個別指導、都内近県にて家庭教師をしています。
受験対策でも不登校児へのフォロー指導でも、私を頼る者全ての力になりたいと思っています。
でも、出来ない事は出来ないので、その時は、よりふさわしい先生をご紹介したり、次善の策がないかを模索したりします。
一番得意なのは中学受験の算数指導。「どんな問題でも解ける」という事より、「志望校に合格するにはどういう力を付ければ良いかを伝える」のが大事なのです。そのことを分かっていない保護者の方々、現役の塾講師、家庭教師の先生方があまりにも多い。
教育ネタが中心になると思いますが、趣味に走ったりもするかも。
前から興味のあったブログというのを始めて、ちょっとワクワクの「え~年のおっさん」です。
(2008年2月2日(先勝)・ブログ開始)

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